約 3,054,138 件
https://w.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/5067.html
The story below is originally published on Mainichi Daily News by Mainichi Shinbun (http //mdn.mainichi.jp). They admitted inventing its kinky features, or rather deliberately mistranslating them from the original gossip magazine. In fact, this is far from the general Japanese' behavior or sense of worth. このページは、毎日新聞事件の検証のための配信記事対訳ページです。直接ジャンプして来られた方は、必ずFAQをお読みください。 ※ この和訳はあくまでもボランティアの方々による一例であり、翻訳の正確さについては各自判断してください。もし誤訳(の疑い)を発見した場合には、直接ページを編集して訂正するか翻訳者連絡掲示板に報告してください。 Savvy schoolgirls of the Little Bubble beat the odds to become the 'special generation'抜け目のないコバブル女子生徒たちが逆境に打ち克ち「スペシャルジェネレーション」になる 参考資料 拡散状況 翻訳者の感想 関連ページ Savvy schoolgirls of the Little Bubble beat the odds to become the 'special generation' 抜け目のないコバブル女子生徒たちが逆境に打ち克ち「スペシャルジェネレーション」になる 0 Savvy schoolgirls of the Little Bubble beat the odds to become the 'special generation' 2008,03,11 AERA 3/10 By Ryann Connell 抜け目のないコバブル女子生徒たちが逆境に打ち克ち「スペシャルジェネレーション」になる 2008,03,11 AERA 3/10 ライアン・コネル記 1 Japan's kobaburu babes, the schoolgirls of the mid-'90s who drove the country's trends, have plied the talents they picked up then to become a powerful force even today, though by rights they shouldn't be,according to AERA (3/10). 日本のトレンドを動かした90年代中ごろの女子生徒たち・日本のコバブル女子が、今日においても力強い影響勢力となるために、当時習得した手腕を発揮しているが、当然だが彼女たちはそうはならないようだ。AERA(3/10)より。 2 Kobaburu or "Little Bubble" women are now in their late 20s. They're the same women who, as schoolgirls, were spoiled rotten by marketers a decade ago who gladly handed over cash and pricey valuables to them just to be able to boast that the items were hot among schoolgirls and thus hyper-fashionable. コバブルすなわち「小バブル」な女性たちは、現在二十代後半である。 彼女たちは、十年前マーケッターによって、女子生徒のときに甘やかされて堕落してしまった女性たちと同じ女性たちである。マーケッターは、これらの品物は女子生徒の間で目下人気があるから超ファッショナブルなのだ、と喧伝できるようにするためだけに、金や値のはる貴重品を彼女たちに喜んで手渡した。 3 For a few years from about 1995 on, schoolgirls wearing loose socks became the barometer of Japanese fashion, and they experienced their own little economic bubble like they'd watched their parents go through as Japan's economy burgeoned in the late '80s. And the kobaburu babes have parlayed what they picked up during the halcyon days when they were the center of the country's consumer economic attention to put their talents to work in today's new economy, even though times have been tougher for their generation than any other in the postwar period. 1995年頃から数年の間、ルーズソックスをはいた女子生徒たちは、日本のファッションのバロメーターとなり、彼女たちはちょっとした自分たち自身の経済バブルを体験した。それは彼女たちが、日本経済が80年代後半に急速に成長したときに親たちが体験したのを、見たところのものに似ている。 そしてコバブル女子は、彼女たちが日本の消費者経済の注目の中心であった、平穏で幸福な時代の間に習得したものを活用して、現在の新しい経済の中で彼女たちの手腕を発揮しようとしている。とはいえ時勢は、彼女たちの世代にとって、戦後のどの世代にとってよりも、厳しくなっている。 4 "These women are part of the Lost Generation, the women for who it was almost impossible to find a career in a major corporation after graduating, but they have absolutely no recognition of this," Yasuko Nakamura of Boom Planning, a marketing company that centers its work on schoolgirls, tells AERA. "For these women, changing jobs is a perfectly natural thing to do and they believe that if they missed out on getting a job at the place they most wanted to, they will still have a chance to get there in the end." 「これらの女性は失われた世代の一部――卒業後に大企業に就職することがほとんど不可能だった女性たち――ですが、彼女たちはそのことを全然まったく認識していません」と、女子生徒を主なターゲットとした仕事をしているマーケティング会社・ブームプランニングの中村泰子はAERAに語る。 「こういった女性にとって、転職は完全にして当然のことであり、最も就きたかった職に就けなかったとしてもいつかは就ける機会があるだろう、と彼女たちは信じています」 5 A feature of the kobaburu babes, the women's weekly says, is to utilize the networks they built up as schoolgirls while exchanging mobile phone numbers and purikura photos. They're also advance planners and strategic thinkers. この女性週刊誌(AERA)がいうには、コバブル女子の特徴は、女子生徒のときに携帯電話の番号やプリクラ写真を交換しながら作り上げてきた人脈を使う、ということだ。 彼女たちはまた、時代に先駆けたプランナーであり戦略的な思索家である。 6 "I always dress so that the first impression people get of me is that of an ordinary OL (female office worker). That gives people a surprise when they learn how well I can get the job done," says Chie, a 27-year-old movie company employee. "It's pretty easy to make yourself look good." 「私はいつも、みんなが私から受ける第一印象が平凡なOL(女性会社員)みたいになるように服を着ます。そのため、私がとても仕事をよくできることにみんなが気がつくと、みんなはとても驚きます」と、二十七歳のムービー会社社員・チエはいう。 「自分をよく見せることはとても簡単です」 7 Yuko Kitakaze, a representative of Dentsu Consumer Insight, a marketing company that has long tracked trends among the women now being called the kobaburu babes, agrees. 現在コバブル女子と呼ばれる女性たちのトレンドを長い間追跡調査してきたマーケティング会社・電通消費者情報トレンドボックスの代表・北風祐子も、同意見である。 8 "On the outside, these women look flashy and powerful, but on the inside they're scared. Unlike the women who came of age during the bubble era and are likely to throw everything into making successful love and working lives for themselves, only to wipe out by drinking if things don't turn out that way, the kobaburu generation work things out in advance so things do turn the way they want them to," Kitakaze tells AERA. "They use the communication tools that developed when they were high school students to form strong networks to cooperate together. They have a really strong group awareness." 「外見は、これらの女性は派手で強そうに見えますが、内面では、彼女たちは怯えています。バブル期の間に成人し、恋と仕事をうまくやるためにはすべてを投げ打ってしまうような、それがうまくいかなかったら酒を飲んで忘れてしまうだけの女性たちとは違います。コバブル世代はあらかじめ物事をうまくやり遂げて、事態を自分が望むように変えます」と、北風はAERAに語る。 「彼女たちは、高校生のときに培ったコミュニケーションのツールを使って、強い人脈を作って一緒に協力します。彼女たちはとっても強い仲間意識を持っています」 9 And the kobaburu babes also differ from their elders by choosing early marriage and motherhood. Having struggled after graduating, they are also apparently aware of the importance of "seizing the moment" because happiness can be so fleeting. そしてコバブル女子はまた、早期結婚と早期育児を選ぶ点で、彼女たちより年上の女性たちと異なっている。卒業後苦労してきたため、彼女たちは「機会を逃さない」ことの重要性にも気がついているようだ。なぜなら幸せとは儚いものとなりうるのだから。 10 Tomoki Shimano, chief editor of phenomenally successful fashion magazine AneCan, which targets the kobaburu women in their late 20s,is convinced this group is "a special generation." 二十代後半のコバブル女子をターゲットにした、驚異的な売り上げのファッション雑誌AneCanの編集長・嶋野智紀は、これらの世代は「特別な世代」であると確信している。 11 "This is the same generation that made incredible hits out of the Tamagotchi, purikura and (AneCan predecessor and sister publication) CanCam," he tells AERA. "But the schoolgirl boom of the '90s didn't come about because there was a power about the schoolgirls of the time. It came about because there was a tremendous power in the generation of women who happened to be schoolgirls at the time." (By Ryann Connell) 「この世代は、たまごっちやプリクラ、(AneCanより先に創刊された姉妹誌)CanCamに信じられないほど熱狂したのと同じ世代です」と、彼はAERAに語る。 「しかし、90年代の女子生徒ブームが起こった理由は、当時の女子生徒にパワーがあったからではありません。ブームが起こったのは、この世代の女性にとんでもないパワーがあったからで、彼女たちは当時たまたま女子生徒だったのです」(ライアン・コネル記) 12 (Mainichi Japan) March 11, 2008 (毎日 日本) 2008年3月11日 参考資料 ブームプランニング http //www.boom.co.jp/ 中村泰子 http //spysee.jp/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E6%B3%B0%E5%AD%90 電通消費者情報トレンドボックス http //www.dentsu.co.jp/trendbox/adkeizai/index.html AneCan http //ja.wikipedia.org/wiki/AneCan CanCam http //ja.wikipedia.org/wiki/CanCam 拡散状況 AsianOffbeat http //www.asianoffbeat.com/default.asp?display=1604(*1) Blogger http //kristonikkolo.blogspot.com/2008/03/taibukad-koolitdrukud-letasid-ootusi.html Nigihara http //www.nigihana.com/forum/showthread.php?t=7865 SeekJapan http //www.seekjapan.jp/news/other/2008-03-12 英語サイト http //www.currentaffairsherald.com/?p=559 海外ブログ http //sonletay.vox.com/library/post/little-bubble-schoolgirls-become-a-special-generation.html 翻訳者の感想 「コバブル女子」のネーミングはAERAの記事を担当した人とその企画に協力した電通消費者研究センターの人達で考えたようです。 「コバブル女子」 「女子高生ブーム」でバブルな体験をし、自信満々で楽しく人生を送っている20代後半の女性たちのこと。 第5節 the women's weekly says, コネルはなぜかAERAを女性週刊誌扱いしています。日本語が読めない人が見たって女性誌とは思わないのでは。 日本語を読めるコネルの単なる勘違いとは考えにくいです。なにか意味があるんでしょうか。 関連ページ AsianOffbeat Blogger Nigihara SeekJapan WaiWaiの記事を転載した英語サイト:C 優先的に翻訳すべき記事リスト 毎日新聞英語版から配信された記事2008年 海外ブログに記事が及ぼした影響
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/151.html
No. タイトル 登場人物 場所 作者 -013 ヤモト・コキ&ランサー ヤモト・コキ&ランサー(乃木園子) ◆ninjMGPkX6
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/91.html
【マスター】 オズワルド・コブルポット@バットマン・リターンズ 【マスターとしての願い】 復讐 【weapon】 『蝙蝠傘』 武器はギミックを仕込んだ傘。 劇中ではマシンガンを仕込んだ物と、相手に催眠術をかける物、先端に刃を仕込んだ物が登場。 また、死の直前にバットマンを攻撃しようと手にしたのは、自身の選択ミスにより、何の機能もないただの傘だった。 【能力・技能】 特殊な技能は持たない。 作中では指令電波を出して無数のペンギンを操っていた。 【人物背景】 名家コブルポット家の長男として誕生。 だが、その凶暴さと奇妙な外見から、呪われた者かの様にとられる。 生まれてから数日後のクリスマスに、実の両親によって揺り篭ごと下水道に流された。 閉鎖された動物園で、置き去りにされたペンギン達に育てられ成長。 その後、奇形サーカスに入団するなどして仲間を増やしていき、地下の下水道を通じて犯罪を繰り返していく。 自分のアイデンティティを求めて、自らが率いるサーカス・ギャングを使った自作自演を行う。 赤ん坊を救ったヒーローとして地上に出て、ゴッサム・シティの市役所であらゆる戸籍記録を調べ上げる、自分の出自と本名を突き止める。 さらに名士マックス・シュレックの陰謀を嗅ぎ付けて彼と共謀、市長選に打って出る。 だが、他人から愛されたことのない事で、人の心を理解しきる事が出来ず、性格は悲しいまでに捻じ曲がっている。 自らの発言が元でバットマンに失脚させられる。 自分を簡単に見捨てたシュレック、愛され育つ全ての子供、バットマンに対する復讐を誓う。 戸籍記録を調べた際にリストアップしていた、自分とは正反対の両親と愛情に恵まれた長男を一人残らず部下に命じて誘拐させる。 シュレックに対しても彼の長男を拉致しようとする。 だが、シュレックの説得と彼に対する憎しみから双方を折衷する形でシュレックの長男は見逃し、シュレック本人を拉致した。 さらにロケット弾で武装したペンギン達を使ってバットマンを殺そうとする。 しかし、ペンギン達のコントロールを奪われた挙句逆に自分がロケット弾攻撃を受け、誘拐した各家庭の長男達も救出される。 自身も重傷を負う等全ては失敗に終わる。 最期は「氷水でもいいから…」と、喉の渇きを訴えたペンギンの最後の言葉を聞き届けたペンギン達に見取られ、池の中に静かに沈んで逝った。 その最期は、愛された事の無かった者ゆえの、何処かしら悲しく哀れなものであった。 【方針】 祝われなかったクリスマスに、イエスの遺した聖杯をぶちまける。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/44.html
1: 「実に素晴らしい手腕だったよ、君」 黒檀のプレジデントデスク越しに、体格の良い白人男性が、実に機嫌の良さそうな笑みを浮かべてそう言った。 見るからに上機嫌と言うような体である。この場に彼だけを取り残したら、最高級のウール絨毯が敷き詰められたこの部屋で、1人スキップでもし始めそうである。 「恐縮です、局長」 局長と呼ばれる男性の目線の先に居る、首にクラバットを巻き、ワインレッドのスーツを身につけた男が、恭しく一礼する。 貴族然服装をした、実にきざったらしい男性であるが、その恰好が妙に様になっているのが、また奇妙だった。 「確か向こうでは20歳で検事になったそうじゃないか。自由の国アメリカでも、この年齢で検事になるのは大変な事だよ。 君は、日本の検察界における麒麟児として、法曹の世界で見られていたのではないかね」 「いえ、私は少しだけ記憶力が人より優れていたものですから……知識の詰め込みが得意だっただけの事。私が今のような検事になれたのは、私の師の存在があってこそです」 「日本人は謙遜が上手いなぁ」、と局長は笑い飛ばした。つられてワインレッドのスーツの男も微笑みを浮かべる。しかしスーツの男の胸中は複雑であった。 スーツの男はどちらかと言えば、自らに検事の何たるかを叩き込んだあの男の事など、もう2度と思い出したくない程トラウマだった。 だがしかし、どんなにあの男の事を嫌悪しようが、忌避しようが、結局自分が今検事と言う身分で活躍出来ているのは、ひとえにその男が検事として、 そして指導力が優れていた、と言う事実が確かにあるのである。このような場で話のタネになれる事が、せめてもの幸い、と言うものなのだろうか。 「それにしても、同じ師匠に師事した検事が日本から研修にやって来ると聞いた時には、どんな恐ろしい人物がやって来るものかとハラハラしたが……。 君のような人物ならば、私も歓迎だよ。どうだね、此処で働いてみないかね。待遇は向こうよりも良くしてあげるが」 「ハハハ、お誘いの言葉は嬉しいのですが、私はあちらの方が性に合ってるのですよ、局長。それにゴッサムの検事局には、私の姉弟子がいる筈。 彼女を抑えている限りは、十分局長の評価は約束されておりますよ」 と、スーツの男はやんわりと局長のヘッドハントを断るが、局長はそれに対して少しだけ渋面を作る。 どうもスカウトを断られた事よりも、スーツの男が言った、冥と言う人物に対しての表情のようだ。 「うーむ……冥くんの事か。彼女も確かに優秀なのだが、いかんせん……」 「いかんせん……?」 「……法の庭で鞭はいただけないんだよなぁ」 「御尤もです」 スーツの男は苦笑いを浮かべた。あのじゃじゃ馬は、この地でも相変わらずであったようだ。 「兎に角、今日は御苦労だったな御剣くん。下るであろう評価を、楽しみにしていたまえ」 「ありがたい事ですな」 「下がっても構わんぞ、ゴッサム地方検事局にいたいと言うのならば、部屋に残っても構わんがね」 「いえ、失礼させて貰います」 ハハ、とゴッサムの地方検事局長は、乾いた笑いを浮かべるが、瞳は余り笑っていなかった。 デカい魚を釣り上げかけ、あと一歩と言う所で逃してしまった釣り人のような表情で、局長は、日本から海外研修にやって来たエリート検事、御剣怜侍の退室を見送った。 退室しドアを閉めてから、ふぅ、と一息つく御剣。 あそこまで解りやすいヘッドハントを受けるとは思ってもみなかった。御剣も人間であるから、高い給金にはそれなりの魅力を感じる。 しかし、故郷である日本を離れてまでは……、と言うのが、彼の偽らざる本音でもあった。それに、このゴッサムでヘッドハントをされたとしても、意味がないのである。 そろそろ検事局を退社する時間だ。今日は1件、携わっていた裁判案件を解決させてやや疲労が溜まっている。帰って少し、身体を休める必要があるだろう。 そう思い歩きだし、十m程進んだ、その時だった。真正面から、とてもよく見知った女性が、此方へと近づいてきた。 「局長から随分と気に入られたのではなくて、レイジ」 ジュラルミンのような銀髪をした、如何にもタカ派、と言う風な装いの美女が、棘を含んだ声音でそう言った。 狩魔冥。40年間と言う驚異的なまでの無敗記録を誇る、伝説の天才検事、狩魔豪を父に持つ、紛う事なき天才検事。 そして、御剣の妹弟子――冥の方は断固として自分の方が姉弟子であると譲らない――でもある女性である。 「熱烈なアプローチを受けて来た所だよ。断ったが」 「あら、このゴッサムで活躍するのが怖かったのかしら、レイジ?」 「君の検事局での居場所を奪うのが忍びなかっただけだ、メイ」 優越感溢れる笑みを浮かべていた冥の顔が、途端に不機嫌そうなそれに変わる。 そして次の瞬間、懐からビニール製の一本鞭を取り出し、ピシィッ、と床を強かに打ち付けた。 床を叩いた時の音と言い、見事なまでの鞭捌き、と言うものだった。 「被告はゴッサムの中堅マフィアの幹部達、そして弁護するのはそのマフィア達の顧問弁護士。馬鹿が見たって解る、黒い弁護士よ。 社会のゴミから有罪を勝ち取る気分はどう? 胸が空くような気分じゃないかしら、レイジ?」 「弁護団の悔しそうな顔と被告側の怒号が今でも思い出せる。あれは良いものだったな、日本では味わえない」 日本ではどちらかと言うと、被告の側にも少しばかり同情の余地がある者を相手にする裁判の方が多く、有罪を勝ち取った御剣でも、 本当にあれで良かったのかと思う事は多々あったが、ここゴッサムでは麻薬を売買だったり殺人や強盗だったりと、 法の素人が見ても有罪確定の犯罪者を相手に裁判をする事が殆どだ。こう言う相手には御剣も心置きなく、全力で有罪を勝ち取りに行ける。 そうして勝ち取った有罪判決は、何とも快哉を叫びたくなるような気分になるのだ。被害者の権利を守ると言う検事の仕事の意味を実感できる瞬間であった。 「……貴方が此処に研修にやって来ると聞いた時には、驚くと同時に、内心喜んだわ。姉弟子としての力を見せつけてやれるのだから」 「私としてはメイが此処にいると聞いて憂鬱だったよ。こんな所でも鞭に打たれると思うと気分が晴れない」 「歳は貴方の方が上だけど、此処では私の方が先輩よ。ありがたく鞭を頂戴しておく事ね」 ここでは後輩は冥に鞭で打たれる事が当たり前らしい。何とも酷い職場もあったものである。 「アメリカでの初の裁判を勝利で飾れた事は姉弟子として誇らしく思うわ。だけれども、アメリカは私のホームグラウンド。日本の常識は通用しないわ。 このゴッサムで、どちらが検事として優れているか、そして、私の検事としての実力をとくと目にしておく事ね!!」 再び、床を鞭で一叩きした後で、ツカツカと御剣の横を冥は通り過ぎて行く。 心なしか、イキイキとしているように御剣には思えた。このゴッサムに見知った顔、しかも同じ師を持つ人物がやって来たのである。 ライバルとして認識し、張り合いがあると思うのは無理からぬ事かも知れない。 このゴッサムでの狩魔冥は本当に、御剣怜侍のよく知る彼女そのものだった。 最後に出会った時と、些かもその峻烈さは変わっていない。だからこそ、御剣には信じられなかった。 あの狩魔冥が本物の狩魔冥ではなく、ただのNPCである、と言う事実が。 2: 無二の親友である成歩堂龍一の月給を24ヵ月分は貯めなければ到底買えない程の値段の真っ赤なスポーツカーを運転し、御剣は夕のゴッサムの都会を走っていた。 総生産額で言えば東京の方が遥かに上であり、その面だけで見るならばあちらの方が都会であろう。 しかしゴッサムシティーの、近未来的なデザインの高層ビルが立ち並び、幾億ものネオンが光彩陸離と乱舞するその夜景はまた、格別のものがある。 見知った東京の光景よりも、此処ゴッサムの方がより進んだ都会に見えるのは、御剣が長い事東京で過ごしていたせいであるからだろうか? アメリカ暮らしの長い冥には、この光景が当たり前なのだろうか。 ゴッサムシティなる都市は、アメリカ合衆国には存在しない。 過去本当に、アメリカに海外研修に行った事のある御剣は、アメリカの地理にはそれなりに明るい。 無論、極めてマイナーな田舎レベルの町は流石の御剣も知識の範囲外であるが、ゴッサム程進んだ都市を御剣が知らない訳がない。 ……尤も、そんな推理を巡らせるまでもなく、御剣はこの街が偽りのそれであり、何故自分がこんな所にいるのか、と言う事もしっかりと理解していた。 簡単である脳に刻み込まれているのである。この街の情報、そして、聖杯戦争についての事柄が。 国内で起ったある殺人事件を、御剣が担当していた時の事。 相棒であり腐れ縁とも言うべき糸鋸圭介刑事が、奇妙な人形を殺害現場から発見し、御剣に対してそれを渡して来た事があった。 明らかに日本でよく見られる様な和風のデザインでなく、外国の土産屋で売っていそうな風のデザインをしていたその人形。 奇妙に思い調べてみると――御剣怜侍は、アメリカはゴッサムシティーへと転移させられていた。 自らの本当の記憶を取り戻したのは、数日前の事だった。 日本からやって来た海外研修にやって来たエリート検事と言うロールを与えられた御剣は、その時は自分の行っている事に疑問を覚えず、担当事件の解決に当たっていた。 しかし何かが引っかかる。自分が担当していた事件は、別にあったのではないか。其処まで考えた瞬間、御剣は全てを思い出していた。自宅の執務室での事である。 そこからの展開は、さして特筆する所はない。 混乱こそしたが、自分が取り組んでいたゴッサムでの案件を粛々と処理し、擁護の余地もない、冥に言わせれば社会のゴミに有罪判決を下させて。 結局この地でも、検事としての役割をただこなしていただけであった。 海外研修の最中に住む事となっていると言う設定の、如何にもアメリカと言うか欧米風と言うか、兎に角豪華な一車庫付き一軒家の賃貸住宅に到着する御剣。 車庫にスポーツカーを入れ、玄関から自宅のなかに入る御剣。1人で住むには広すぎて、逆に不便になる程の大きな一軒家だ。 「真宵くんを案内したらはしゃぎそうだな……」と、ふと、元居た世界での知り合いの事を考える御剣。 この世界には成歩堂と真宵はいないだろう。アメリカ、しかもなにしおう犯罪都市で生活するNPCとしては、あの2名は明らかに不自然である。御剣は、そう考えていた。 家の大きさに見合った広さのリビングへと足を運び、御剣は革製のソファへと腰を下ろした。 ビジネスバッグから書類を取り出し、リラックスがてらにその書類に目を走らせる。それは、次に御剣が引き受ける裁判の参考書類であった。 「随分と働きますねぇ、御剣検事」 何処からともなく、楽しむような声が聞こえてくる。声の方角から言って、御剣の前方方向からだった。 しかしそこには、80インチもある大きな液晶テレビと、クリスタルガラスの長テーブルがソファとテレビの間においてある以外には、何もない。 それこそ目に見えない幽霊が物を喋っていると解釈しなければ、声を発する者などいる筈がないのだ。 ただ御剣はそう言った現象には慣れているらしく、書類に目を通しながら、口を開いた。 「検事と言う仕事は暇じゃないのだよ、ランサー」 御剣の言葉に呼応するように、彼の前方方向、より詳しく言えばガラスのテーブルを隔てた向こう側に、書き割りを変更するように1人の男が現れた。 茶色の後ろ髪を長く伸ばした、眼鏡をかけた赤目の長身男性。かなり若々しい美形である。果たして誰が信じられよう、この男が三十路を超えた年齢であると言う事実を。 この男よりも老けている二十代の男性など、世に掃いて捨てる程存在しよう。此度の聖杯戦争に於いてランサーのクラスで召喚されたこの男。 真名を、ジェイド・カーティスと言うらしい。御剣には俄かに信じられない事であるが、彼のいた世界とは根本的に異なる世界の住人であると言う。 「ハハ、こう見えても国家の要職に携わっていた身ですから、法廷周りの忙しさは理解していますよ。ただ、貴方の場合は、働き過ぎですよ」 「そうだろうか」 書類に目を通しながら御剣は言う。ジェイドには、目もくれなかった。 「聖杯戦争の参加者はNPC、貴方とは何の縁もない人間ですよ。少しばかり手を抜いて臨んでも良いと思いますが」 「ランサー。国家の要職に就いていた貴方には釈迦に説法と言うものかもしれないが、正式な法手続きを経て下された判決と言うものは、非常に重い意味を持つ」 「理解しております」 「弁護人は依頼人の利益の為に動き、依頼人の無実を証明する為にいる。対して検事は、被告人に有罪の立証し、被害者の溜飲を下げ、彼らの権利を守る為にいる。 行う仕事は全く違うが、共通して言える事がある。それは我々が、人の社会的な地位と、これからの人生を守る事も滅茶苦茶にする事も可能だと言う事だ」 「正式に下された判決と言うものは、基本的には正しいものとして扱われ、民衆もその判決は事実なのだろうなと認識する」 「その通り。だからこそ、我々は手を抜いてはならない。人はどうしても間違いを犯す生き物だ。正しいと思っていた事柄が実は間違っていたなどと言う事は良くある事。 だが、裁判でそれは許容できない。無罪であった人間を有罪にする、有罪の筈の人物を無罪にしてしまう。後からそれが間違いだと気付き、判決を撤回させても、 彼らが心に負った傷と、失った社会的な立場は、永久に取り戻せはしないのだ。我々は、責任の重大な仕事に就いているのだ。手を抜く事は、出来ないよ、ランサー」 思い出すのは2年前、御剣に殺人の濡れ衣を着せようと画策した、灰根高太郎の事である。 御剣が検事を志す決定的な要因となったあのDL6号事件の被告人であり、ある時まで当該事件の犯人であると思われていた人物。 結局あの事件は解決し、真犯人も灰根ではない事は今となっては明らかな事なのだが、彼は1人の心無い弁護士による弁護を受け、心神喪失のフリをして無罪になれ、 と強要され、ありもしない濡れ衣を着せられた結果、家族を失い、社会的な地位も失ってしまった。 自分に罪を着せようとした灰根に対して怒りを覚えるのが普通の筋なのだろうが、御剣にはそれが出来ずにいた。 確かに怒れる所もあるのだが、灰根に対する同情の余地が其処にあるからだった。 弁護士と検事が仕事を適当にやるだけで、此処までの禍根を残すと言う事実を、御剣は身を以て知っている。 だからこそ、例え呼び出された仮初の世界とは言え、与えられた役目が検事と言うそれであるのなら、御剣は全力でこれに打ち込む。 御剣怜侍は完璧をもってよしとするのだから。 「成程。御剣検事、確かに貴方の言う事は尤もです。人の命運を左右する職業の以上、生半な仕事は許されない。素晴らしいプロ意識だと思います」 「ですが」、そう言ってジェイドは言葉を区切った。御剣はなおも書類の文面に目を走らせていた。 「それだけが本心ではないでしょう」 「何の事だろうか」 「あなたは聖杯戦争から逃げているのではないのですか?」 ピクッ、と、御剣の身体が反応した。 尚も書類に目を通してはいるが、瞳は、其処に記された文字を追っていなかった。 「聡明な貴方に聖杯戦争についての概要を教える事はしません。ですがこれだけは、重要な事柄なので何度でも言います。聖杯戦争は戦争の名の通り、人が死にます。 そして、我々は生き残りたいのであれば少なくとも人を殺します。NPCだけじゃありませんよ、マスターもサーヴァントも、です」 理知的な光の宿った赤色の瞳を御剣に向けながら、ジェイドは言葉を続ける。 「御剣検事。私には貴方が、直視したくない辛い現実から目を背けたいが為に、聖杯から与えられた仮初の役割に打ち込んでいるように見えてならない」 重い沈黙が、リビングに流れる。ジェイドの方は御剣に目線を投げ掛け続け、御剣は書類に穴が空く程目を向け続ける。 その状態を破ったのは、御剣だった。ガラステーブルの上に書類を置き、胸中に渦巻く深い悩みを雄弁に語る大きなため息を吐いてから、口を開いた。 「私は弱い人間だろうか、ランサー」 「そんな事はないと思いますが」 「貴方の言う通りだ。私は人を殺すと言う現実を到底許容できなかったから、検事としての本分に打ち込む事で、それから逃げていた。検事の仕事をしている間だけ、辛い事実を忘れる事が出来た」 心底苦々しい笑みを浮かべる御剣。 「検事が人を殺す事は出来んよ。全く……、君も弱いマスターに当たったものだな」 「私は人生のある時期まで、人が死ぬと言う悲しみと恐怖を、人を殺すと言う事にまつわる恐ろしさを、理解出来ていなかった時期がありました。 今となっては、流石に理解出来るようになりましたがね。兎に角私は、人生の中の決して少なくない時間を、愚かな人間として過ごしていた時がありました」 「ランサーが、か?」 「とてもそうは見えませんか? まぁ性格面以外は優秀ですから」 肩を竦めて皮肉っぽく口にするジェイドだったが、何故だろう。 御剣にはそれが嫌味には聞こえず、寧ろ、ジェイド自身に対する果てない嘲りの念が、見え隠れしてならなかった。 「人を殺す事に忌避感を覚える貴方の方がむしろ普通なのですよ。検事の方が正しい。人を殺す事に慣れてしまう事の方が、異常だ」 「だが、聖杯戦争では人を殺さなければならない筈では……」 「どうも言い方を変える必要があるようだ。こう言った方が宜しいでしょうか、人を殺めねばならない覚悟が必要だ、と」 「覚悟」 御剣がその言葉を反芻する。そう、とジェイドは相槌を打つ。 「正直な話、私は聖杯戦争については懐疑的です。万能の願望器と称される聖杯もそうですが、それに至るまでに人を殺して行かねばならないと言う蠱毒の如き方法にも。御剣検事の事です、其処までは考えていましょう」 「一応は、な」 「これは私の推測なのですが、聖杯と言うものはどんな形であれ存在し、願いを叶えると言う力もある程度事実に基づいているのでしょう」 「……私もそう思っている」 でなければ、全く異なる世界の住民であるジェイドと御剣をこのゴッサムに呼び寄せる、と言うそれこそ神の御業のような力が納得いかない。 しかもジェイドは元居た世界では天寿を全うしていると言う。如何なる方法を用いてか、過去の人物をこの世界に呼び寄せているのだ。 過去の一件で霊媒を筆頭としたオカルトについて強い憎悪を抱き、それらをインチキと揶揄している御剣ではあるが、此処まで我が身を以て奇跡の一端を示されてしまえば、 納得せざるを得ない、と言うものであった。 「聖杯が存在するかもしれない……この事実が重要なのです。どのような人物が聖杯戦争に参加しているかは解りませんが、当然、 あるかも知れない聖杯に縋ってでも叶えたい願いの為に、人を殺しに掛かる者、最悪、思想や正義など関係なく、殺人を兎に角犯しに掛かる人物も、いないとは言い切れません」 「降りかかる火の粉は払わねばならない、と言う事か……?」 「その通り。本職の検事に説明するのは馬鹿馬鹿しいので行いませんが、正当防衛と言う奴ですよ」 「……正当防衛、か」 舌の上でその言葉を転がす御剣。検事として勉強していた時も、見事検事になって以降も、幾度となく耳にして来た言葉である。 「私は貴方に非情になれとは言いませんし、殺人を進んで犯せとも言いません。ですが、殺しに掛かって来た相手に無抵抗でいる事は、よしなさい。何の意味もありません。 そう言った輩は殺す、と言う覚悟を持っておいた方が良いですよ、検事。……無論貴方が、自らの意思で聖杯戦争を戦う意思を見せ、積極的に殺しに行くと言うのであれば、止めません。私もマスターやサーヴァントを殺しに行きますがね」 恐らくジェイドは本気で言っていた。顔つきがいつも浮かべているにこやかな笑みではなく、剣呑とした物を孕んだ表情に変化していた。 このランサーは恐らく決して少なくない数、いや寧ろ多くの人間をその手で殺めて来たのだろう。言葉の端々から感じられる重みと覚悟が違った。 張り詰めたような、緊張した沈黙が場を支配する事、十秒程。それだけ時間が経過してから、御剣が言った。 「……事件の真実に辿り着く事に必要なものと言うのは、1つには粘り強く計画的な捜査、1つには様々な人物との協力体制……そして最後が、決して考えるのを諦めない事だ」 無言で御剣の言葉をジェイドは待つ。御剣は、更に言葉を続けた。 「私はこの聖杯戦争の真実を暴いて見せたい。時には他の参加者と同盟を組む事も、視野に入れている。 ……こう言った過程で、我々を殺しに掛かる者が現れたのならば、しっかりと対処する。……それで良いだろうか?」 「検事がそれを望むのであれば、私はそれに応えるまでですよ」 真面目な表情から一転、あの人を食った様な不敵な笑みを浮かべて、ジェイドが返す。 ふっ、と、御剣もつられてふてぶてしい笑みを浮かべる。緊張がほぐれた瞬間だった。 「共に、聖杯戦争で足掻こうか。ランサー」 「えぇ、そう致しましょう。検事」 言ってジェイドは霊体化を始め、部屋から姿を消す。 それを合図に、御剣はガラステーブルに置いていた参考書類に手を伸ばし、再びその書面の目線を走らせる。 書類に集中しながらも、御剣は、自分の下した判断について考えていた。それが正しいものであると、信じていたかった。 「(これで良かったのだろう……? 成歩堂。……父さん)」 このゴッサムにはいないであろう人物の事を夢想する御剣。 1人は、灰根高太郎が仕掛けた冤罪と、師匠である狩魔豪の裏切りから自分を救ってくれた友人である、成歩堂龍一に。 そしてもう1人は、DL6号事件のせいで亡くなってしまったが、今でも御剣が尊敬している父親であり最高の法律家、御剣信。 あの2人は、御剣のこの折り合いを納得してくれるだろうか。余りにも理不尽が過ぎる聖杯戦争についての御剣が行う付き合い方、これを2人は良しとするのだろうか。 「(……貴方は私の判断をどう思うのでしょうかね……。ルーク)」 同じような事を考えているのは、霊体化しているジェイドとて同じだった。 既に答えを決めているような態度で御剣と話してはいたが、内心ではジェイドも悩んでいた。 本人の意思とは関係なく、シャブティなる人形を手にしただけで殺し合いの舞台へと招聘される、と言う余りにも理不尽かつ不条理な聖杯戦争。 それに対してはどう向き合い、どう付き合うか、ジェイドとて解らずにいた。だから、ジェイドは妥協した。 殺しに掛かって来る者は応戦し、御剣の言うところの真実を求める人物と同盟を組み、聖杯戦争のシステムそのものに立ち向かう。 嘗て仲間達と共に世界の命運をかけてヴァン謡将と死闘を繰り広げた時の事と聖杯戦争が被って見える。但し、聖杯戦争の方がその意図はより悪辣なようだった。 この最低の街と、今のところ正義の欠片もない意図で行われそうな聖杯戦争に対するスタンスは、これが正しいのだろうかと。 今この場にはいない、ジェイド・カーティスの人生で最も影響を与えたあのレプリカの青年の事を、彼は考えていた。 2名の真実へと向おうとする試みは、まだ始まったばかり。 【クラス】 ランサー 【真名】 ジェイド・カーティス@テイルズオブジアビス 【ステータス】 筋力C 耐久B 敏捷C 魔力A 幸運A 宝具B+ 【属性】 秩序・悪 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 【保有スキル】 魔術:A 第七音素を除く、第一~第六音素全ての属性の譜術(魔術)を操る天才譜術師。 ランサーに唯一出来ない術の種類は、第七音素の素養を持たない為の、回復譜術のみである。 魔眼:B 大気中に満ちる大量の音素(魔力・霊力)を取り込む事で、譜術の威力を向上させる譜眼を両目に施している。 譜眼の制御装置である眼鏡を外すか、霊地や魔力に優れた土地で戦った場合、魔力ステータスと魔術ランクに大幅に有利な補正が掛かる。 魔力滞留:B もと居た世界に於いて、フィールドオブフォニムスと呼ばれていた技術。 強い属性の音素(魔力)の攻撃・魔術を行う事で、一定の土地にその属性の音素で満たさせ、そのフィールド内で特定の攻撃或いは魔術を放った場合、 その攻撃や魔術の威力がワンランクアップ、或いは全く別の強力な技・術に変化する。 但し、フィールドオブフォニムスは相手にも利用される事があり、相手サーヴァントに逆手に取られる危険性は、十二分に認められる。 話術:C 言論にて人を動かせる才。 国政から詐略・口論まで幅広く有利な補正が与えられる。 【宝具】 『不可視にされし微粒子の槍(コンタミネーション・スピア)』 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:自身 最大補足:自身 物質同士がフォニムと元素に分離して融合する、コンタミネーション現象と呼ばれる現象を、ランサーが応用した技術が宝具となったもの。 ランサーは普段は槍を何処にも持っているように見えないが、これはコンタミネーション現象を利用し、槍を目に見えない程の微粒子状に分解させ、 右腕に融合させているからであり、必要な時になると瞬時に槍を取り出し、応戦する事が可能。 『惑星譜術』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大補足:1 元いた惑星オールドラントに於いて、創世歴と呼ばれる遥か昔の時代に勃発した譜術戦争の際に考案されたが、運用される前に戦争が終結してしまい、 歴史の流れの中に消えてしまったと言う譜術が、宝具となったもの。その内容は、『星の質量をそのまま任意の相手に激突させる』と言うもの。 攻撃に用いる譜術としては先ず間違いなく最高峰の譜術であり、生前ランサーはこの譜術を用いて、暴走した自らの恩師を葬っている。 発動には真名解放と令呪1区画の消費のみならず、マスターの魔力も多大に要する。 安定して惑星譜術を放つには、本来ならば惑星譜術の触媒となる6つの武器が必要かつ大規模な譜陣(魔術陣)が必要になり、生前ランサーがそれだけのお膳立てを整えて、 この術を発動した時ですら、未だ術の全容が明らかになっていない宝具の為本来の半分以下威力しか発揮出来なかった。 サーヴァントとして呼び出され、更にキャスタークラスでなくランサークラスでの召喚、かつ触媒もない状態では、 生前放った威力の更に半分の威力しか発揮出来ないが、対人宝具としてはそれでもなお、破格の威力を誇る。 【weapon】 フォニックランス: 人為的に生み出された大地であるホドに眠っていた、古代の譜術戦争時に用いられたという槍。業物ではあるが、宝具と呼ばれる程ではない。 普段は目に見えないが、前述の宝具により、右腕に微粒子状の姿になって融合している。 【人物背景】 天才的なまでの譜術博士であり譜術師としての技量と、見事なまでの槍術を操る、マルクト帝国軍第三師団の師団長。階級は大佐。 優秀な軍人を数多く輩出してきたカーティス家の養子。旧姓をバルフォアと呼ぶ。 その勇名は敵対国家であったキムラスカ王国の軍人、将軍だけでなく、世界中の譜術師や科学者達に知られている程 階級こそ大佐であるが、実際には将軍職に就ける程の実力と功績を持ち、かつ皇帝の幼馴染であると言う過去から、皇帝の懐刀とも呼ばれている。 輝かしい来歴の一方で、戦場で骸を漁るなどの噂から「死霊使い(ネクロマンサー)」の異名でキムラスカ・マルクトの両国から軽蔑されてもいた。 作中世界で多くの不幸と事件を生み出して来たフォミクリーの基本理論の開発者であり、ジェイド本人はこの装置を過去に開発した自分を殺してしまいたいと言う程嫌っていた。 人生のある時期まで、生物が死ぬと言う事象について感情が抱けなかった事があり、笑顔で魔物を殺すと言う側面があった。妹のネフリーをして、悪魔とすら言わせしめる程。 ある日、素養の無い第七音素を扱おうとした結果、恩師ネビリムを死に至らしめ、瀕死の彼女にフォミクリーを掛け、レプリカとして蘇生させようとしたが、 精神バランスの崩壊した不完全なレプリカ(モンスター)を生み出してしまう。 以降、幼馴染の1人であるディストと共にネビリムの復活を目指して研究を続けていたが、皇帝のピオニーの説得で研究を放棄。 これ以降生物のレプリカ開発を禁忌に設定。同時に、過去に行った全ての行いを悔いるのであった。 【サーヴァントとしての願い】 特に未練なく生きて来られたので、特にはなし。 【基本戦術、方針、運用法】 ランサーを名乗ってはいるが、実際は槍より魔術の方が得意である、と言うクラス詐欺も甚だしいサーヴァント。 しかし魔術の腕前は本物で、槍術の腕前自体も、実際にはそれ程低くはない。余程相手が優れた三騎士でなければ、それなりに対等に戦える。 痒い所にも手が届く、器用なサーヴァントであろう。話術も地味に小回りが利いている。 惑星譜術は言うまでもない、ジェイドの切り札である為、使用には慎重を期す必要がある。 【マスター】 御剣怜侍@逆転裁判シリーズ 【参加方法】 殺人事件の現場に落ちていた、証拠品と思しき人形を糸鋸刑事が持って来た所、それがシャブティだった。 【マスターとしての願い】 聖杯戦争の真実と、その裏にいるであろう巨悪を暴く。 【weapon】 【能力・技能】 検事として優れた頭脳と推理力を誇る。が、身体能力については、特筆するべき所はない。 【人物背景】 優れた検事である狩魔豪に師事した、若干20歳と言う年齢で検事になった天才検事。 検事となって以降は一度も無罪判決を出した事がなく、間違いなく天才の誉れが高かった検事。 彼が初めて敗北を喫したのは、小学校時代の親友である成歩堂龍一と争った時である。 父親に、当時は高名な弁護士であった御剣信を持ち、ある時期まで父のような弁護士を目指そうと決意していた事があったが、 9歳の時に経験したDL6号事件と言う事件を切欠に父親を亡くし、それ以降、犯罪者と弁護士を憎むようになる。 DL6号事件での挫折から、嘗てのような正義感を失っていた御剣だったが、親友の成歩堂と出会い、彼と裁判上で争った事で心境に変化が見られ、 実際に殺人事件の被告人に御剣がなってしまい、成歩堂が彼の弁護を引き受けた結果、完全に心境が変わる。 以降は検事について深く考える為に検事業から身を引き、1年後に復帰。ある時期まで海外研修を行っていたが、友人の矢張から成歩堂の事故を聞き、緊急帰国。 彼の代わりに特別弁護を行い、事件解決後は、再びアメリカに戻り、1か月の研修を行うのだった。 今回の御剣は、逆転検事2の第5話と逆転裁判4において成歩堂が法曹の世界にいられなくなった事件が起こる間の時期からの参戦である。 【方針】 検事業を続けながら、他の参加者を探してみるか。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/37.html
……幸せな夢を見た。 森の中に建つ小さな家。 木造で、とても電気など通っていそうにない古風な造り。 扉を開くと、色とりどりの花が咲き乱れる花畑がある。 春の陽射しが降り注ぎ、穏やかな風が草花を揺らす。 その花畑の真ん中に、小さな少女がいた。 「 !」 振り返った少女――娘が満面の笑みで手を振って、自分を呼ぶ。 娘の後ろには夫がいた。 散々振り回されたらしく、身体のあちこちに花びらがくっつき、頭には花かんむりが載っていた。 尚も娘が呼ぶ。持っていた洗濯物かごを置き、扉を閉めて歩み出す。 夫が柔らかく笑い、娘を肩車した。 「 」 夫に名前を呼ばれる。応えて自分も笑う。 穏やかな顔にほっとした。最近ではついぞ見た記憶のない顔だ。 ……最近? 最近、とはいつだろう。 夫はいつもこうして笑っていた。自分と娘の前では煙草も絶っていたはずだ。 では、この鼻につく臭いは何だろう。あの外界から隔絶された冬の古城では手に入るはずもない不快な香り……古城? 「 ?」 娘の声に思考を打ち切られた。伸ばされた手は庭先を指している。 そこには一人の、黒髪の少年が立っていた。 来客だろうか。ここを訪れる人は滅多にいない。遠方に住む父の使いか、それとも道に迷った旅人か。 見たところ娘より四つ五つは年上だが、小柄だった。 自分よりもさらに頭ひとつは低い背丈。右頬に小さな十字傷。 夫が立ち上がって、少年に用向きを問う。 肩の上の娘も面白がって夫の口ぶりを真似、同じ言葉を繰り返す。 が、少年は目を伏せて応えない。そのまま、夫と娘の傍らを通り過ぎる……こちらに向かってくる。 少年が一歩を踏み出すたび、花が散る。風が舞い上げた花びらが視界を覆う。 夫と娘の姿が見えなくなる。 「 ! !」 突如得体のしれない不安に襲われ、彼らの名前を叫んだ。 返事はなかった。 代わりとでも言うように、少年が目の前に立った。 あなたは誰、と問おうとして。 「……セイバー」 目が合った。 同時に夢から覚めた。 「う、ううん……」 目が覚めれば、そこは花畑などではなく。 薄暗く埃っぽい、見覚えのある土蔵の床に、彼女は横たわっていた。 夢を見ていたのはわかるが、その内容まで思い出せない。 それでも何となく幸せな夢だったような気がする。 後ろ髪を引かれながら起き上がる。 「……え?」 起き上がれた。その事実に呆然とする。 地面に手をつき、力を込め、起き上がる。 そんな単純な動作さえこなせないほど、この身体は衰弱していたはずなのに。 アイリスフィール・フォン・アインツベルンは、さらに驚愕する。 衰弱どころか。全身を蝕んでいた倦怠感、疲労感は綺礼に消え去っていた。 魔力も問題ない。やろうと思えば身体から溢れさせることも可能なほど……つまりは健康、万全の体調に戻っていた。 「どういうことなの……?」 そろりと立ち上がる。やはり問題なく、何の支えもなく自分の筋力だけで立ち上がれた。 これは、アイリスフィールの認識からすれば有り得ないことだった。 聖杯戦争における聖杯の『器』として鋳造されたアイリスフィールは、脱落したサーヴァントの魂をその身に収める役割を担う。 その結果、『器』に必要ではない余計なもの、つまり人としての機能は順次破棄されていく。 アサシン、キャスター、ランサーの三騎が散り、戦局も大詰めとなったとき、アイリスフィールは一人で動くこともままならないほど弱っていたはずだ。 ふと思い当たる。この現象はもしやセイバーのおかげだろうか。 『全て遠き理想郷』……無制限の治癒能力をもたらすあの宝具の担い手が傍にいれば、アイリスフィールの体調は快方に向かう。 「セイバー? どこにいるの?」 ここがあの土蔵ならば、夫である衛宮切嗣が手配したセーフハウスの敷地内であるならば、どこにいてもセイバーは自分の呼びかけを察知できるはずだ。 瞬間、アイリスフィールの目前に魔力が収束し、人型となる。 「え?」 現れたのは、彼女が求めたセイバー。 ただし、アイリスフィールの予想した騎士王ではない。 「マスター、目が覚めたんだね」 金髪の麗人ではなく、黒髪の少年がそこにいた。 アイリスフィールより頭一つは低い。日本の尺度で言えばまだ中学生、あるいは小学生にも見える小柄な体躯。 それでも……優れた魔術師でもあるアイリスフィールにはわかる。 この少年が、途方もなく強力なサーヴァントであることを。 あるいはあの騎士王に匹敵するかもしれない、人のカタチをした小さな竜…… その瞬間、すべてを思い出した。 「……ああ、そう。そうだったわね。これは……私の知らない、別の聖杯戦争だったのね」 戸惑いは、納得へと変わる。 これは、アイリスフィールが衛宮切嗣の補佐として参加していた冬木の聖杯戦争ではない。 ゴッサムシティなる、イリヤスフィールの知らない街で行われる、未知の聖杯戦争だ。 きっかけは何だっただろうか。 ランサーとそのマスターであるケイネス・エルメロイ・アーチボルトを撃破し、教会で遠坂時臣と休戦協定を結んだ。 その後、決戦に臨む切嗣に『全て遠き理想郷』を返却し、いよいよ身動きが取れない状態になって……そう、あのときだ。 突如襲撃してきたライダーに応戦するため、護衛の久宇舞弥が銃を手にする。 満足に動くことも出来ないアイリスフィールは流れ弾を食わないよう物陰に押しやられ、蔵に押し込まれていた小さな人形に触れたのだ。 その瞬間、アイリスフィール・フォン・アインツベルンは第四次聖杯戦争から離脱し、この新たな聖杯戦争に招かれた。 機能不全を起こしていた『器』たる身体は全快している。 冬木の聖杯戦争に合わせて調整された機能は、ここでは適用されないということなのだろう。 「そして、あなたが私のサーヴァント……セイバー」 「そういうことみたいだ」 少年、セイバーはアイリスフィールが状況を理解するまで待ってくれていた。 落ち着いた今ならば思い出せる。この少年は、先ほどの夢に出てきた少年だ。 幸せな夢の終わりを告げる、闘いの使者。それがこの少年だった。 「ごめん、邪魔をするつもりはなかったんだ。でもマスターの魔力が予想以上に強かったから、おれの魂が引っ張られたみたいだ」 「いいのよ、気にしないで。あれはしょせん……ただの、夢だもの」 現状を呑み込めれば、次はどう動くかを考える番だ。 アイリスフィールは今、夫である衛宮切嗣とそのサーヴァントたるセイバー、協力者である久宇舞弥とは隔絶されている。 前回は聖杯の『器』として聖杯戦争に参加したが、今度は純然たるマスターとしてこの戦場にいる。 そしてアイリスフィールの前には、新たなセイバーである少年がいた。 体調は万全。新たなサーヴァントはおそらく強力な存在だ。闘う条件としては十二分。 では、闘う理由はどうか? 「私がここで聖杯を手に入れれば、切嗣も、イリヤも……」 衛宮切嗣が殺人機械たる『魔術師殺し』に戻ることはなく、イリヤスフィールも聖杯の『器』になることはない。 舞弥も危険な魔術師の闘いに関わることはなく、その上イリヤスフィール自身も『器』になる必要がない。 つまりはアイリスフィールの大切な人たち全員が生き残ることができる。聖杯を手にすることさえできれば。 それは甘美な誘惑だった。 本来は『器』に過ぎないアイリスフィールにさえ、望む願いを強く自覚させるほどには。 だが、迷いもある。 本当にこのゴッサムシティの聖杯は本物なのか。 どうやって冬木からこの地に連れて来られたのか。 今も冬木で闘っているはずの切嗣とセイバー、そして舞弥の元へ、一刻も早く帰還するべきではないのか。 「でも、どうやれば……そもそもここはどこなのかしら。肉体ごと転移させられたのだとしたら、私一人じゃとても……」 「マスターは闘いたくないの?」 「え?」 セイバーに問われ、ふと考える。 闘いたくないのか? 否、そうではない。 聖杯戦争に参加する魔術師の縁者として、闘争に臨む覚悟は既にある。 なんとなれば、元々聖杯戦争に参加していたのだ。状況は変われど、方法そのものに変化はない。 考えるべきは、闘うのか、闘わないのか。前進する理由と後退する理由、どちらが大きいか。 そして……考えるまでもない、後退は却下だ。 ここからどうやって冬木に戻るか現状では不明であるし、何より冬木に戻っては確実に失うものがある。 切嗣は底知れない敵である言峰綺礼に付け狙われ、舞弥はライダーとの絶望的な交戦に臨んでいる。 アイリスフィールが干渉しようとしまいと、あの二人が直面する危機を回避することは出来ない。 であるならば、一時彼らと離れることとなっても、ここで闘うことが結果的には最善となるかもしれない。 この地で聖杯を手に入れ、切嗣の願いを叶える。そして冬木に戻り、切嗣と舞弥を救い、ひいてはイリヤスフィールを待つ運命を変える。 それらを為せるのは、冬木ではなくこのゴッサムシティの聖杯戦争を於いて他にない。 アイリスフィールは一つ息を吐き、セイバーに向き合った。 「……いいえ、違う。私には聖杯を得なければならない理由がある。 切嗣、イリヤ、舞弥さん……私の大切な人たちのために、叶えたい願いがあるの。 セイバー、あなたは、私に手を貸してくれる?」 「わかった。一緒に闘おう」 至極あっさりと、セイバーはアイリスフィールの申し出を受け入れた。 その瞳に迷いはない。為すべきと感じたことを為す、そんな確信に満ちている。 「いいの? 私はあなたのことをまだ何も知らないし、あなただって私のことも何も知らないでしょう」 「さっきの夢で、マスターが悪い人じゃないってわかった。それだけで十分だよ。 父さんと、母さんと、子どもと……家族が一緒にいられるなら、それはとても良いことだと思う。 その願いを守るためなら、おれは闘える」 このセイバーに含むものなどない。知り合って十分と経っていないのに、何故かそう断言できる。不思議な魅力を放つ少年だった。 サーヴァントである故か、あるいは持って生まれた魂の色、資質なのか。 娘よりやや年上の、並んで歩けば親子のように見られるかもしれないこの少年が、とても頼もしく思える。 「私はアイリスフィール・フォン・アインツベルン。長ければアイリと呼んでちょうだい。 セイバー、あなたの名前も……真名を聞いてもいいかしら」 サーヴァントにとって、真名は何よりも秘匿するべき情報。それは己のマスターであっても例外ではない。 マスターの権限を用いれば問わずとも知れる情報ではある。しかしそれを問うこと、答えること、それ自体が信頼の形になる。 「おれはダイ。みんなには、勇者ダイって呼ばれてたよ」 やや照れくさそうに笑うセイバー――ダイ。 アイリスフィールは差し出されたダイの手を取り、これから始まる闘いの日々に思いを馳せた。 【クラス】 セイバー 【真名】 ダイ@ドラゴンクエスト ダイの大冒険 【パラメーター】 筋力:B 耐久:B 敏捷:B 魔力:D 幸運:B 宝具:A+ 筋力:A+ 耐久:A+ 敏捷:A+ 魔力:D 幸運:B(『双竜紋』発動時) 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 対魔力:D(A) 一工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 『竜闘気』を発動することでランクが上昇、Aランク以下の魔術を完全に無効化する。事実上、現代の魔術師では、魔術で傷をつけることは出来ない。 騎乗:- 竜の騎士と人の混血であるダイが竜を駆って活躍したという逸話は無い。そのため騎乗スキルを持たない。 【保有スキル】 闘いの遺伝子:EX 歴代の竜の騎士が積み重ねてきた膨大な戦闘経験の結晶。Aランクの「直感」「心眼(真)」の複合スキル。 たとえダイが初めて見る攻撃であっても、過去の騎士たちの経験と照らし合わせることで瞬時に本質を見切り、対処法を編み出すことが可能となる。 呪文:D 火炎、氷結、真空、閃熱、爆裂系統の中級呪文、電撃系統の下級呪文を使用可能。 本職の魔法使いと賢者がパーティにいたこともあり、ダイが使用できるのは攻撃呪文に偏っている。 このスキルは魔力から生み出される現象のため、対魔力によって打ち消される。 アバン流刀殺法 種別:対人剣技 最大捕捉:1人 かつて魔王を打ち倒した「勇者」にして、「勇者の家庭教師」アバンによって開発された剣技。 「地」「海」「空」の三つの技を極めることで、「大地を斬り海を斬り空を斬り、そして全てを斬る技」アバンストラッシュを放つことが可能となる。 ダイは闘いの中でこの剣技を磨き上げ、魔法と組み合わせる「魔法剣」を編み出した。 大地斬…鉄や鋼など強固なものを力で叩き斬る「地」の剣。 海破斬…炎や水など形なきものを速さで斬り裂く「海」の剣。 空破斬…心眼で敵の弱点を捉え、光の闘気で悪の闘気を滅する「空」の剣。 アバンストラッシュA(アロー)…闘気を衝撃波のように飛ばして攻撃するタイプ。威力が控えめな反面、離れた敵を攻撃できる上に連射が効く。 アバンストラッシュB(ブレイク)…闘気を纏った武器で相手を直接攻撃するタイプ。威力に優れる反面、連射はできず、敵の懐に飛び込むため捨て身の技になる弱点もある。 アバンストラッシュX(クロス)…Aタイプが着弾する瞬間Bタイプを放ち、敵の体の上でX字に交差させるタイプ。動く敵に当てるのは至難の業だが交差点の威力は通常タイプの5倍以上。 ライデインストラッシュ…Aタイプに電撃呪文ライデインを組み合わせたタイプ。ダイが単体で使える技の中では最強の威力。 ギガストラッシュ…Bタイプとギガデインを組み合わせたダイ最強の技。ただしダイは『ダイの剣』の鞘を用いなければギガデインを使用できないため、発動には10秒の時間が必要となる。 【宝具】 『ダイの剣』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人 魔界の名工ロン・ベルクによって、世界でただ一振り「ダイのために」生み出されたオリハルコン製の剣と、その対となる鞘。 言葉を発することはないが、主であるダイを時に諌め時に護るなど固有の意志を持つ。 オリハルコンは神々が創った金属とされており、地上最硬の硬度を持つ。ヒビ程度の破損なら自己修復する。 真名開放の効果は呪文強化。呪文を纏わせた魔法剣を鞘に収め10秒経過することで、その呪文を最上位級にまで昇華させることが可能となる。 『双竜紋』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1-10 最大捕捉:10人 拳に「竜の紋章」が現れることで発動、ステータスを大きく上昇させるオンオフ式の常時発動宝具。 竜の騎士が持つ人の心、魔族の魔力、竜の力が一体となって生まれる闘気「竜闘気(ドラゴニックオーラ)」を開放する。 通常の竜の騎士は額に紋章を宿すが、ダイは生まれつき持っていた自分の紋章と父バランから受け継いだ紋章を両拳に宿している。 ほとんどの攻撃呪文を無効化、肉体を鋼鉄以上の硬度に強化、闘気の噴射による高速移動など、攻防速を極める。 さらに『ダイの剣』と組み合わせることで通常攻撃が常時「闘気剣」となり、攻撃力が倍増する。 竜闘気を収束させレーザーのように放つ「紋章閃」も使用可能となる。 なお、竜闘気を全開にした状態では、『ダイの剣』などオリハルコン製でなければ武器が耐えられず燃え尽きてしまう。 『竜闘気砲呪文(ドルオーラ)』 ランク:A+ 種別:対城宝具 レンジ:10-500 最大捕捉:500人 竜闘気を極限まで圧縮し、竜の口を模して組み合わせた両掌から放つ竜の騎士最大最強の技。 闘気を圧縮する際に魔力を用いるものの、本質的には闘気を放つ技であるため対魔力では無効化できない。 『双竜紋』開放時でなければ発動できず、魔力消耗が非常に大きい。一度の使用で全魔力の八割を消費する。 『竜魔人』 ランク:- 種別:- レンジ:- 最大捕捉:- 大魔王バーンとの決戦時、ダイが両拳の紋章を再び額に戻し一つとすることで発現した、竜の騎士の最強戦闘形態(マックスバトルフォーム)。 強大な力を持ちつつも唯一ダイが持ち得なかった「敵への殺意」を備え、肉体と闘気が爆発的に強化される。 もともと竜魔人級の力を持っていたダイが更に強くなる形態であるが、力を追い求めるあまり人の心を忘れた姿でもある。 そのため、サーヴァントとして召喚されたダイはこの姿を忌み、自らの意志で宝具を破棄している。 この宝具を使用できるのはバーサーカーとして召喚されたときのみ。その場合はあらゆるパラメータが測定不能かつ制御不能、文字通りの魔人と化すだろう。 【weapon】 『ダイの剣』 『パプニカのナイフ』×2 ダイがパプニカの王女レオナから下賜された王家の宝剣。切れ味はいいが、『双竜紋』と併用すると燃え尽きてしまう。 【人物背景】 かつて地上が悪によって乱されたとき、神々は秩序の守護者として人・魔族・竜の三者の力を集め「竜の騎士」を生み出した。 ダイは「竜の騎士」バランとアルキード王国の王女ソアラとの間に生まれた「竜の騎士」と人間の混血児である。 出生後は両親と引き離され、魔物だけが暮らすデルムリン島に流れ着く。 やがて島を訪れた家庭教師アバン、無二の親友となるポップと出会い、魔王軍の脅威に脅かされる世界を救うため旅立つ。 魔物でありながら悪の心を持たない鬼面道士ブラスや他の穏やかな魔物に育てられたため、とても純粋な性格。 クロコダイン、ヒュンケルといった悪の心を持つ敵も、ダイと戦うことで正義の心に目覚め仲間となった。 宿敵ハドラーとは何度も死闘を重ねる内にお互いに尊敬の念が芽生え、父バランもダイとの闘いの末に人間への認識を改めるなど、その純粋さは多くの人の心に影響を与えた。 【サーヴァントの願い】 アイリスフィールが家族の元へ帰れるように、全力で守る。 【マスター】 アイリスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/zero 【マスターの願い】 聖杯を入手し、切嗣とイリヤが闘わなくてもいい世界を願う。 【weapon】 『貴金属の針金』 錬金術の媒介となる針金。魔力を通すことで自在に変形する。 『メルセデス・ベンツ300SLクーペ』 高級クラシックカー。排気量2,996cc、最高時速260km。 【能力・技能】 錬金術、治癒魔術、車の運転技術(免許未取得)。 【人物背景】 アインツベルンの手により第四次聖杯降霊儀式の聖杯の「器」として錬成されたホムンクルス。 「冬の聖女」ユスティーツァの後継機にあたり、また究極のホムンクルスの母胎となるべく設計されたプロトタイプでもある。 精霊に近い存在である上、誕生前から様々な調整を加えられており、魔術師としての能力は高い。 切嗣がアインツベルンに入るのとほぼ同時期に練成された。切嗣を夫として迎え、娘であるイリヤスフィールを儲ける。 第四次聖杯戦争では切嗣の代理でセイバーとともに冬木市に入り、表向きのマスターとして囮役となる。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/42.html
―――お前は既に犠牲によって生かされている 「…………裕也」 青年、葛葉紘汰はかつて手に掛けた友人が住んでいたアパートの部屋を訪れていた。 といってもそれは元いた世界の話であって、この世界の彼を紘汰が殺めたわけではない。 しかしこのゴッサムシティでも裕也は傷害事件に巻き込まれ亡くなっていた。 この偽りの世界でも裕也が故人となっている原因は自分にあると紘汰は解釈していた。 「遅くなってごめんな。記憶戻ってたんだけど、中々ここに来る踏ん切りがつかなくて」 今は空き部屋になった一室の花瓶になけなしの貯金を崩して買った花を供えた。 今日ここに来たのは、悩んだ末に出した答えを伝えるためだった。 「裕也、俺……戦うよ」 喉元から絞り出した声音は紘汰の悩みの深さを物語っていた。 その手には本来裕也が使うはずだった、始まりの切っ掛けとなった戦極ドライバーが握られていた。 これを手にした時から運命は動きだし、そして狂いはじめた。 「大人になって変身するっていうのはさ、何もこんな力に頼る形じゃなくても良かったんだ。 皆で馬鹿やって、踊って、そんでいつか子供でいられなくなって少しずつ大人になる。 そういう平和で普通の未来があれば、きっとそれで良かったんだよ」 失って初めてわかる、という言葉があるがまさにその通りだ。 戦い続けてもがき続けた今だからこそかつての日常がどれだけ大切だったか実感できる。 もう取り戻せない時間と命を取り戻すたった一つの方法―――それが聖杯。 「きっと、この道は間違ってるんだと思う。 だけど今まで出してしまった沢山の犠牲を全部無かったことにできるかもしれないんだ。 もちろん他のマスターも皆生き返らせて、そんな冗談みたいなハッピーエンドを掴めるなら……俺は」 学の無い紘汰には複雑なロジックはわからない。 それでも死というものを無かったことにする、という行為がおかしなことだというのは感覚的に理解できる。 しかし、おかしなことを願ってはいけないのだろうか。 自然の理に反することでも叶えられるからこその聖杯ではないのか。 「……戦う。戦って戦って、最後に聖杯を手に入れる。手に入れなくちゃいけない。 それが力を手に入れて過ちを犯した俺なりの責任の取り方だと思うから。 だから…もし俺を許してくれるなら、どうか見守っててくれ。 この聖杯戦争をアーマードライダー鎧武の最後のステージにしてみせる」 最後に墓参りをするように手を合わせ、荷物を持ってアパートの管理人に礼を言って立ち去った。 そんな紘汰の前に、何もない場所からゆらりと現れたのは彼のサーヴァントだった。 山吹色の道着を着た、顔に傷のある男だった。 「ごめん、何か待たせちゃったな」 「いいさ、これから人を殺そうっていうんだ。 平気でいられないのは悪いことじゃないさ」 クラスをファイター、真名をヤムチャというこの男は召喚された時から紘汰に対して親身に接してくれた。 紘汰にとっては今まで抱えていた事情全てを相談できる兄貴分のような存在になっていた。 「しかし、書置きぐらい残しておいた方が良かったんじゃないのか?」 「いいんだ、姉ちゃんは巻き込みたくないし、俺が何書いても嘘だってバレそうだしな」 ここに来る直前、紘汰は自宅を出て寝袋や食料品などを購入していた。 以前ユグドラシルに姉を人質にされかけた経験から聖杯戦争に巻き込まないために家を出ることにしたのだ。 NPCであろうと紘汰にとっては紛れもなく姉なのだ。 飢えという問題も戦極ドライバーを着けておけば容易に解決できるし着けられない状況に備えていくらか保存のきく食料もあるので心配はない。 何よりこれからマスターとして過ごす中で普段通り姉と接する自信が全くない。 「ところでさ、あんたの願いって何なんだ?」 話題を変えるために今まで聞きそびれていたことを聞いてみることにした。 先ほどまで自分のことで精一杯だったこともありサーヴァントの願いを聞くのを忘れていたのだった。 「俺か?俺の願いは…ありきたりかもしれないがもう一度人生をやり直したい、かな。 恥ずかしいことに俺は途中で戦いを友達に丸投げして一線から退いてしまってな、それが心残りだったんだ。 だから今度は諦めずに修行して、少しでもそいつの力になってやりたいんだよ」 どうせ自分では孫悟空に追いつけないと諦めてしまったのはいつだっただろうか。 サイヤ人と地球人の違い、センスの差、師匠の差と言い訳はいくらでも思いつく。 しかし途中までは自分も悟空が到達した強さに遅れながらもついていくことはできていたのだ。 どこかで無理だと決めつけて投げ出してしまってはいなかったか、という心残りがファイターを聖杯戦争に呼んだのだ。 ―――それに、俺だって一度は悟空に勝ちたいからな。 サーヴァントとして全盛期の肉体で召喚されたからか、とうに枯れたと思っていた闘争心が湧き上がる。 悟空に挑むということがどれほど無謀かは自分が一番よく知っている。 それでも、いやだからこそ乗り越えたいと願うのも武道家の性なのだろう。 「諦めずに、か……。じゃあやっぱり俺は諦めたってことなのかな? 犠牲と引き換えの希望なんて嘘っぱちで、ただの絶望だと思ってた。 でも俺は裕也を犠牲にして生き延びて、今も他を犠牲にして願いを叶えようとしてる」 「そうとも限らないんじゃないか? お前は犠牲になった人の命を大事にしているからマスターになったんだろう? 死者を生き返らせようと思ったらそれこそ神様や聖杯にでも頼むしかないんだからな」 「だけど俺は……!」 「まあ聞けよ。俺達戦士は気を操って戦うんだが、不思議なことに相手の気が邪悪か清純かわかるのさ。 少なくともお前からは邪悪な気は全く感じない。お前の願いは邪なんかじゃないってことだ」 ファイターの気遣いを受けても尚紘汰の表情は曇ったままだった。 ふと名前も知らない白いアーマードライダーの男のことを思い出した。 あの男は聖杯という奇跡も無い中一体どれほど重い覚悟を背負っていたのだろうか。 自分が同じように犠牲を生み出す側に回ってはじめてあの男にも苦悩があったのではないかという考えに思い至った。 (そりゃ敵わないわけだよな……) 今ならわかる。白いアーマードライダーの強さの源泉は覚悟や責任感の重さに由来するものだったのだ。 だからこそシドなどとは比べものにならない実力を身に着けるに至ったのだろう。 「俺も強くならなくちゃな……」 そうだ、自分はもうこの道を選んだのだ。引き返すことなどできるわけがない。 途中で脱落することも許されない。最後に勝ち残るまで戦い続けるしかない。 戦わなければ生き残れないし、誰も救えないのだから。 (そういえば、サガラは聖杯戦争について何か知ってたのか?) ゴッサムシティに来る直前、悩んでいた紘汰の前にDJサガラが現れシャブティの人形を渡していた。 もしシャブティが聖杯戦争への参加権だと知っていたなら、彼に対して怒ればいいのか感謝すればいいのか複雑な気分だ。 【クラス】 ファイター(エクストラクラス) 【真名】 ヤムチャ@ドラゴンボールZ 【属性】 秩序・善 【ステータス】 筋力 B 耐久 B 敏捷 B 魔力 E 幸運 D 宝具B 【クラス別スキル】 対魔力:D…魔術に対する抵抗力。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 【保有スキル】 亀仙流武術:A…武術の神・武天老師を開祖とする武術。 もっともその骨子は「よく動き、よく学び、よく遊び、よく食べて、よく休む」。 基礎体力の向上を目的とする以外に決まった型というものはなく、弟子の自主性が重んじられる。 その流派の在り方から実体化して食事や睡眠を行う際、魔力の回復量がやや増大する。 舞空術:B…全身から気を放出して空を飛ぶ技術。このランクでは空中での高速戦闘が可能なレベルである。 気配感知:B…心を無にし精神を研ぎ澄まし、自然と一体化することで遠くの気を感じ取る技術。 広域の気配を感知しその大きさまで測れるが、スキルの性質上気配遮断スキルには対抗できない。 気配絶断:B…心を無にすることで己の存在を無にする技術。暗殺者としての技術である気配遮断とは似て非なるスキル。 気を絶っている間サーヴァントとしての気配を消し、魔力消費を極限まで抑える。 戦闘態勢に入った時点でこのスキルは全く機能しなくなる。 【宝具】 「かめはめ波」 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人 気を両手に凝縮して放つ亀仙流の必殺技。ヤムチャだけでなく複数の戦士が身に着けた宝具の域に至った技。 使い手の実力によっては惑星すらも破壊するが聖杯戦争ではその最大出力に大幅な制限が設けられている。(ヤムチャ自身のステータスも同様であり、マスターの適性によってさらに低下している) またマスターの紘汰から供給される魔力が少ないため全力での解放は困難である。 尚、どれだけレンジと捕捉数が広大でも強大な敵に対して使用される技であるため種別は対人宝具である。 【サーヴァントとしての願い】 もう一度人生をやり直したい。 ついでに聖杯戦争の中で強敵と戦ってみたい。 【マスター】 葛葉紘汰@仮面ライダー鎧武 【マスターとしての願い】 聖杯を手に入れ、犠牲になった人達(聖杯戦争のマスター含む)を生き返らせなければならない。 【weapon】 戦極ドライバー:アーマードライダーに変身するためのベルト。 イニシャライズ機能があり紘汰以外の人間は着けることさえできない。 オレンジロックシード:クラスAのロックシード。戦極ドライバーに嵌め込んで使うことによってオレンジアームズへ変身できる。 専用アームズは無双セイバーと連結できる太刀・大橙丸。 ゲネシスコア:戦極ドライバーの発展型であるゲネシスドライバーのコア部分。 戦極ドライバーに接続することで本来ゲネシスドライバーでしか使用できないエナジーロックシードが使用可能になる。 レモンエナジーロックシード:クラスSのロックシード。戦極ドライバーと接続したゲネシスコアに固定して使うことでジンバーレモンアームズへ変身できる。 ダンデライナー:ホバーバイク型のロックビークル。飛行機能と機体前方に機銃を備える。 サクラハリケーン:バイク型の試作型ロックビークル。速度を上げるとヘルヘイムの森への行き来が可能だが聖杯戦争では不可能になっている。 仮面ライダー鎧武・オレンジアームズ:紘汰が戦極ドライバーとオレンジロックシードを使い変身した姿。 システムの補助により視覚や聴覚、運動能力などが大幅に増大する。 前述の大橙丸と銃剣・無双セイバーを駆使した白兵戦を得意とする。 ただし科学兵器であるためそのままでは霊体であるサーヴァントにダメージを与えることはできない。 仮面ライダー鎧武・ジンバーレモンアームズ:戦極ドライバー、オレンジ及びレモンエナジーロックシード、ゲネシスコアの組み合わせで変身した鎧武の強化形態。 その性能はゲネシスドライバーを使って変身した新世代ライダーにも匹敵する。 遠近両用の弓、創世弓ソニックアローに加え無双セイバーも武器として使用可能。 オレンジアームズと同じく科学兵器であるためそのままでは霊体であるサーヴァントにダメージを与えることはできない。 この他にも紘汰は様々なロックシードを持っていたが聖杯戦争に召喚された際に紛失している。 【能力・技能】 常人離れした身体能力の持ち主でライダーとしての戦闘センスも非常に高い。 しかし戦闘力はその時の精神状態で振れ幅が激しく怒った時には凄まじい実力を発揮する一方戦いに迷いを抱いた時は低下してしまう。 【所持金】 貧困 【方針】 マスター、サーヴァント共に十分な戦闘力を持つものの搦め手、特にアサシンの奇襲に対してはやや脆い。 しかし最大の問題は紘汰の魔力供給量の乏しさであり気(魔力)を大量に使うファイターを支えきるのは難しい。 高い感知能力や機動力を活かして避けられる戦いは避けて魔力を温存するのがベストか。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/53.html
草木も眠るウシミツ・アワー。 マッポーめいた価値観の支配する暗黒大都市・ゴッサムシティの港は都市部とは異なりお通夜めいた静けさに満たされている。 だが、だからといって人の気配がない訳ではない。 倉庫街の一角に複数の人影、同じジャケットとジーンズで服装を統一したヨタモノじみたティーンの集団の姿がある。 彼らはこの倉庫地帯を根城にしているストリートギャングだ。 強盗、殺人といった犯罪行為で生計を立てている彼らは今日もドラッグや煙草、酒を口にしながら本日の戦利品を分配している。 上機嫌に下卑た笑いを浮かべるギャング達を小さな影がジッと見つめている。 それは一人の少女だ。 雪の様に真っ白な肌とオーガの角めいたアクセサリ、そして血の様に真っ赤な双眸が特徴的な少女だ。 グルグルと湾岸を巡回するサーチライトが少女の姿を照らす。 少女とギャングの一人の視線が交差した。 「エ?」 ギャングが声をあげる。 なんでこんな所に少女がいるのか。 ドラッグのし過ぎで幻覚でも見ているのではないか。 仲間に声をかけようとして、ふとギャングは気が付いた。 急に、自分の周りが暗くなっている事に。 ギャングは上を見上げた。 「エ?」 ギャングが声をあげる。 なんで自分の頭上に巨大な機械の腕があるのか。 ドラッグのし過ぎで幻覚でも見ているのではないか。 仲間に声をかけようとして、ふとギャングは気が付いた。 頭上の腕が、ドンドン近づいてきていることに。 ギャングは目を見開いた。 「エ?」 ギャングが声をあげる。 なんで自分に向かって巨大な機械の腕が降ってきているのか。 ドラッグのし過ぎで幻覚でも見ているのではないか。 仲間に声をかけようとして、ふとギャングは気が付いた。 既に、そんな余裕はなかった事に。 ギャングは身動き一つ取ることができなかった。 地響き、ゴシャリと何かがひしゃげる音。 そして水音と共に赤い飛沫が舞った。 「……アンドレ?」 ギャングのリーダーが何かが落ちてきた先にいた筈の仲間の名前を呟く。 舞う土煙に隠れてその姿は確認できない。 しかし、罅割れたコンクリートの地面と、そこから染み出すトマトジュースめいた赤い液体がアンドレがどうなったのかを如実に語っていた。 港に一陣の潮風が吹く。 風に流され土煙が晴れた先にいた者を見たとき、その場にいたギャング達は潜在的恐怖に支配された。 「「「「「アイエエエエエエエエエエエエエ!?」」」」」 本能的にギャング達が叫び声をあげる。 おお、なんたるゴアめいた光景か! 砕けて大きく陥没したコンクリートにネギトロめいた飾りと真っ赤なペイントががされている。 飾りとペイントの材料はアンドレの血と肉だ。 そしてそのゴアめいた空間に立つ一つの人影は更にギャング達の恐怖を助長させる。 男がいた。 ソバシェフ装束を着込み、筋肉質な上半身をはだけ、その顔の大部分をメンポで覆った奇妙な男だった。 だが、男の何よりもの異常性はその両腕だ。 男の両肘より先はコミックに出てくるロボットめいた巨大な鉄塊の如きサイバネアームに置換されている。 男の右腕にはところどころ赤い塗装がなされ、筋肉繊維がこびりついている。 ギャング達にその腕が哀れなアンドレを押しつぶしたのだと言外に語っていた。 「全部、全部だ」 メンポの男が声を発する。 地獄の底から響くような暗い声と共に、男の狂気に支配された両目がギャング達を捉えた。 その瞬間、ギャング達は理解する。 次は自分たちがアンドレと同じ末路を辿ることに。 ギャングの一人が半狂乱になりながら銃を構えた。 BANG!! BANG!! BANG!! 銃声が響く。 しかし、メンポの男は銃弾など異にも介さず、銃を撃った男に向かって疾走する。 「アイエエエエ! ナンデ!? 無傷ナンデ!?」 銃を撃っても人が死なない。 そのあまりにも常識外の光景からくる恐怖によって銃を撃っていたギャングはしめやかに失禁! メンポの男が駆け寄りながら右拳を引く。 サイバネアームが盛大に蒸気を吐き出す。 「アバッ」 猛スピードで放たれた拳がギャングのいた場所を通過する。 破壊の鎚が通り過ぎた後には、腰から上を消失した遺体がスプリンクラーめいて血を吹き出しながら転がっていた。 「全部だ! 全部だ! 全部だ! 全部だ!」 メンポの男は止まらない。 その目は既に別のギャングを捉えている。 蒸気を吹き出しながら次のギャングへと駆け寄る。 「アイエッ!?」 「全部だ!」 CRAAAAASH! サイバネアームが振り下ろされる。 哀れギャングはネギトロめいた姿になって即死! メンポの男は次のギャングに向かって駆け出す! 「アイエッ!?」 「全部だ!!」 CRAAAAASH!! サイバネアームが振り下ろされる。 哀れギャングはネギトロめいた姿になって即死! メンポの男は次のギャングに向かって駆け出す! 「アイエッ!?」 「全部だ!!!」 CRAAAAASH!!! サイバネアームが振り下ろされる。 哀れギャングはネギトロめいた姿になって即死! メンポの男は次のギャングに向かって駆け出す! なんたる凄惨な光景か! 男がサイバネアームをふるう度にギャングが死んでいく。 その様はさしずめに全てを破壊する嵐といったところか。 「ヒッ、ヒィィィィ!!」 運よく助かったギャングの一人が近くのコンテナの裏に隠れる。 何故、こんな事になってしまったのか。 今までの悪行がこの結果を招いてしまったのか。 ギャングは神に祈り、助けを乞う。 ここから助かる事ができればこれまでの行いを悔い改めることを誓う。 足音が近づいてくる。 ちょうどコンテナを挟んで向かい側に男の気配がする。 ギャングは気付かずにいてくれる事を願う。 ボシュウと蒸気の上がる音が響く。 ギャングが両手を組み、目をつぶる。 衝撃がギャングを襲い、そこで意識は途絶えた。 「ハァーッ! ハァーッ!」 ギャングのリーダーが肩で息をする。 既に彼以外のギャングは死んでしまった。 逃げる一瞬、メンポの男がコンテナの裏に隠れた仲間をコンテナごとサイバネアームで吹き飛ばした光景が目に入った。 一刻も早く逃げなければ。 警察に事態を話して保護してもらわねば。 錯乱する中どうにか思考をまとめ、ふらつきながら港の出口を目指して歩くギャングの前に、一つの小さな人影が立ちふさがった。 「ワッザ!?」 目の前にいたのは少女だった。 それはアンドレと呼ばれたギャングが偶然発見した少女であったが、このギャングには知る由もない。 だが、一目見てその少女が異常な存在である事は理解できた。 人らしからぬ見た目である事はもちろんだが、その少女の周囲には不気味な球体が浮かんでいた。 黒く、猫耳のような突起のある球体だった。 その球体一個一個がむき出しの歯が生えた口を開き、べろりと舌を出す。 少女のサーチライトめいて光る赤い双眸がギャングを見据える。 「ア……、ア……」 「ヤレ……、バーサーカー……」 後ずさるギャングの背にトン、と何かが当たる。 振り向くとそこにはサイバネアームを振り上げるメンポの男の姿があった。 ギャングはこの少女がメンポの男を、バーサーカーと呼ばれた男を使って自分たちを襲った事を知る。 何故、どうしてと少女に問うよりも早く、大質量のサイバネアームが振り下ろされた。 一瞬の内に幕の開いた惨劇を生み出した少女が血に塗れた破壊の跡を見下ろす。 凄惨極まる光景だが、少女は顔色一つ変えない。 そして、傍らに立ったバーサーカーを、少女のサーヴァントを見上げた。 「魔力、溜マッタ?」 「……」 バーサーカーはこくりと頷く。 狂化によって言語能力を失っている為、会話自体が行えない。 彼の発する「全部だ」という言葉もうわ言のような者で意味のある言語とはなっていない。 フルフェイスのメンポの奥に光る瞳にはただ全てを破壊せんとする狂暴な意思しか殆ど残っていないのだ。 「霊体二戻ッテ、バーサーカー」 少女の指示を受けて、バーサーカーは霊体化する。 再び静寂が戻った港で少女が一人月を見上げる。 深海棲艦。 ある世界において、人類の敵性存在として海の大半を支配した存在。 その中でも棲姫と呼ばれる上位存在の一つが彼女、北方棲姫であった。 彼女がここにくる前までにあった記憶は、艦娘と呼ばれる少女達との戦いだった。 配下の艦は全て沈み、それでもなお艦載機を飛ばし抗戦していた彼女に降り注ぐ無数の散弾。 息も絶え絶えの彼女の視界には、いつか配下が拾ってきた人形が鈍い光を放っていた。 何事かと人形に手を伸ばすと、気づけばこの港に彼女はいた。 脳裏に浮かぶのは聖杯戦争の情報。 彼女の傍らには理性を失ったバーサーカーのクラスのサーヴァント。 何度か北方棲姫はバーサーカーとの会話を試みたが、バーサーカーが会話に応じる事はなかった。 バーサーカーの破壊衝動に取りつかれた瞳は、どこか彼女たち深海棲艦の一部に見られるものと同じだと北方棲姫は感じた。 憎しみ・恐怖・怒り・悲しみ。そういった感情すらもなく、ただ衝動に支配されるままに破壊を振りまく存在。 あるいは深海棲艦という存在だからこそ、このサーヴァントを呼び出したのかもしれない。 全てのきっかけであるあの戦いで見上げた空とまったく同じ月夜を見上げながら、北方棲姫は思考を打ち切る。 バーサーカーが呼ばれた理由など、彼女にとっては些末事に過ぎない。 バーサーカーは強い。魔力の消費も魂喰いを行っていけば、北方棲姫が生成する艦載機を複数呼び出して戦闘を補助する程度の余裕はある。 この聖杯戦争で勝ち抜く事は決して不可能ではない筈だ。 「必ズ、カエル」 北方棲姫は直観的に感じていた。ここは自分がいるべき世界ではないと。 夢見た光景はここでは手に入らないと。 帰らなければならない、本来彼女があるべき世界へ。 例え、元の世界で滅びる運命にあったとしても、それがこの世界で朽ちていい理由にはならない。 船の汽笛がどこかから聞こえる。 港に人影はもうどこにも見当たらなかった。 イツカ、楽シイ海デ、イツカ…… 【クラス】 バーサーカー 【属性】 混沌・狂(悪) 【真名】 ランペイジ@ニンジャスレイヤー 【ステータス】 筋力A 耐久B 敏捷B 魔力C 幸運C 宝具A 【クラス別スキル】 狂化 C 魔力と幸運を除いたパラメーターをランクアップさせるが、言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。 【保有スキル】 戦闘続行 B 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。 金属と融合した身体と破壊衝動に飲まれた精神は致命的な一撃を与えない限り全てを破壊し続ける。 威圧 C 戦闘時に対象の敏捷に若干のペナルティを与える。同ランク以下の精神干渉を無効化するスキルで無効化が可能。 威圧的な両腕、そして強大なニンジャソウルはプレッシャーとなって相対した者の動きを阻害する。 【宝具】 『青銅纏いし剛力の鬼神(アカラ・ニンジャ)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:自身 常時発動宝具。 負傷しても両腕のサイバネアームなどから金属繊維が這い回り負傷箇所をただちに修復する。 修復する度にマスターの魔力が消費される。 遥か古代に名を馳せた半神的存在であるニンジャの一人、アカラ・ニンジャのニンジャソウルがバーサーカーには憑依している。 このニンジャソウルが憑依したものは異常ニンジャ膂力と金属同化能力を宿す。 その膂力は生身の時点で、素手によるパンチのみでビルを解体できる程である。 また、金属同化能力によってバーサーカーは重機や鉄塊を連想させる両腕の巨大なサイバネアームを自身の手の様に自由に動かせるだけでなく、自らの負傷の治癒にも使うことが可能となっている。 【weapon】 両腕の巨大サイバネアーム 破壊力が高いだけでなく、蒸気を任意で吹き出せるので接近時のけん制や目くらましも可能。 【人物背景】 本名はゼンダ。 元々はキョートで働く善良なソバ職人だったが巨大企業の工場建設の反対運動の折にソバ屋の廃業・妻の死を経験し絶望する。 結果、彼は装甲車に改造した巨大ビークルで工場建設現場を破壊して回った「ソバシェフ・ランペイジ事件」を起こして逮捕される。 収監後もその憎悪は収まることがなく、「ソバシェフ・ランペイジ事件」を続行するために脱走したところ、デスドレインという忍者に勧誘を受け、彼の仲間となる。 その後はニンジャ「ランペイジ」としてデスドレインの司令塔のようなポジションについて破壊活動に従事し、ある戦闘で両腕を失った事を機に巨大なサイバネアームを手に入れた。 最終的にはニンジャスレイヤー・ダークニンジャとの戦闘中に破壊衝動に呑まれて暴走したところニンジャスレイヤーによって致命傷を負わされる。 末期に意識の戻った後はデスドレインと言葉を交わし、ゼンダではなくランペイジとしてその生涯を終えた。 アカラ・ニンジャというニンジャのソウルに憑依されているが憑依した明確な時期の記述はなく、デスドレインがソバシェフ・ランペイジ事件の新聞記事を見て勧誘を決めたことから、事件が起きる前段階でニンジャソウルが憑依していた可能性が示唆されている。 【サーヴァントの願い】 全てを破壊する 【マスター】 北方棲姫@艦隊コレクション 【マスターとしての願い】 元の世界に帰る 【weapon】 艦載機 たこ焼きに似ている球状の艦載機。口からエネルギー弾を発射するがサーヴァントにはダメージは与えられない 【能力・技能】 魔力を消費して艦載機を生成可能 主砲など艤装については元の世界の戦闘で破壊されたので使用不可 【人物背景】 深海棲艦の中でも実際の基地や飛行場の特性を持つ「棲姫」と呼ばれる上位存在。 見た目はロリロリしい少女だが、その見た目とはかけ離れた火力をもってアリューシャン作戦に挑む艦娘達を迎え撃った。 モデルとなったダッチハーバーやアリューシャン作戦で無傷のゼロ戦が鹵獲された事から、航空機に対して執着を見せる。 「カエレッ!」や「コナイデッテ、イッテルノ」というセリフから深海棲艦の中でも好戦的ではない部類の存在だと思われる。 余談だが下着は黒の紐パンである。 【方針】 バーサーカーは一撃の威力は高いが肉薄する距離まで接近されると攻撃が行えず途端に不利になる。 その弱点のカバーは北方棲姫の艦載機が行うので、艦載機の運用とバーサーカーの安定した戦闘の為魔力の貯蔵は必須。 魂喰いに拒否感は微塵もないので、魂喰いを行いながら優勝を目指す形になるか。 同盟については視野にもいれていない。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/83.html
少年は誓った。夢半ばで倒れた者達の無念を全て背負う、と。 少年は最強を目指す者。 しかしそれは武に敗れ狂気に堕ち、ただひたすらに魂を狩る鬼――鬼神ではなく。 武の道を進んだ先にある、武神。 少年は誓った。生者を殺す鬼の道ではなく、死者を生かす武の道を進む、と。 少年は武神を目指す者。 ◆ ◆ ◆ 夜のゴッサムシティの空を一人の少年が駆ける。 ビルからビルへ、屋上から跳んでは軽々と次のビルへ乗り移り、傍から見れば到底人の所業とは思えない動きであった。 少年が下を見下ろすと、ゴッサムシティの都会から発せられる光が夜空を照らしており、まだ昼だと錯覚しそうになる。 下の車道を行き交う車が光りの点となって少年の瞳に移った。 高みから見たゴッサムの夜景には木々が生い茂る自然とはまた違う、アメリカの都会ならではの荘厳さがあった。 少年は周囲の中でも一際高いビルの中腹へ乗り移り、そこから頂上まで駆け上る。 そして眼下に栄えるゴッサムを一望して少年は、 「ひゃっはぁああ!!」 と高らかに叫んだ。 「へへ、どいつもこいつも豆粒みてェだ」 少年は自分が大物だと言わんばかりにゴッサムを見下ろす。 上空であるからか、その身体には風が吹き付け、忍装束めいた服装と星形に尖った髪型が揺れる。 彼の名はブラック☆スター。冗談抜きで神を超えることを目指す武人。 しかしそのための努力は惜しんでおらず、先ほどの人間離れした動きも努力の賜物である。 「今、俺様はこの街の誰よりも上にいる。俺様がBIGな証だな。どんなヤツだろうと片っ端からぶっとばしてやる」 「――はっはっはっ!言うではないか、坊主!何者にも恐れずに挑む者こそ余のマスターに相応しい!」 ブラック☆スターの背後に、轟音と共に二頭の気性の荒そうな牛が牽引する戦車が降り立つ。 それを操る者こそがブラック☆スターのサーヴァント、ライダー。 真名をアレキサンダー大王、もといイスカンダルといった。 「当たり前だ!俺は神を超える男だからな!」 そう言ってブラック☆スターは「ひゃっはっはっは☆」と笑う。 「うむ!今一度ライダーのクラスを得て現界したが、此度はゴッサムシティなる都市か。ここはあの難敵クリントンがいる国。そして何よりも他の英雄がこれでもかと集うと言う!そう思うと一層、胸が高鳴る!」 ライダーは戦車から降り、ブラック☆スターの隣に立つ。 ブラック☆スターに比べて遥かに身長が高いライダーから見るゴッサムシティはもう少し広く見えた。 ライダーは冬木の第四次聖杯戦争にて召喚されたことがある。 その戦場で現代を満喫し、違う時代の英雄と決闘し、ウェイバーという新たな盟友もでき、力の限り駆け抜けた。 冬木での聖杯戦争ではサーヴァントは7騎までと決まっているが、 この電脳空間での聖杯戦争は召喚されるサーヴァントの数に限りがないという。 そのこともあって、ライダーは今まで以上に他の英雄との邂逅が待ち遠しかった。 「ああ。やるからには俺達が一番目立たねぇとな。例えサーヴァントだろうが真っ向から挑んでやる。…椿がいなくてもな」 いつも傍にいるパートナー・中務椿がいないことに少し寂しく思いながらも、ブラック☆スターは自らを奮い立たせる。 ブラック☆スターは死神武器専門学校――通称・死武専の武器職人だ。 武器に変身することができる人間・魔武器の中務椿とペアを組み、お互いに信頼し合っていた。 ブラック☆スターがここに来た発端は、死武専のある任務中のことだ。 どうやら派遣先の遺跡に魔道具があるらしく、それの回収を目的とした任務だった。 椿と共に目的の物を探している途中、ブラック☆スターはそれを見つけた。 シャブティという変な人形。 目的とされる魔道具かと思いブラック☆スターがシャブティに触れた途端。 ブラック☆スターの身体が消え、武器化したままの椿が取り残された。 その瞬間から、ブラック☆スターはゴッサムシティへ飛ばされたのだ。 本来、武器職人はパートナーの魔武器がいないと大きく弱体化する。 ブラック☆スターは持ち前の戦闘能力である程度は戦えるとはいえ、武器――椿がいないとなるとやはり弱体化は免れない。 正直、ブラック☆スターが勝つことは難しいであろう。 …それでも、ブラック☆スターは進まなければならない。 「……ライダー。俺は聖杯なんて別に欲しくない」 ブラック☆スターは、左手で肩を押さえながら言う。 そこには星形の刺青と、その上に痛々しいまでに刻まれた傷痕があった。 ライダーはゴッサムシティの夜景を見ながら静かに聞いていた。 ◆ ◆ ◆ 死武専と敵対する組織・アラクノフォビアの本拠地のババ・ヤガー城攻略作戦にて、 ブラック☆スターはある男と死闘を繰り広げた。 その男の名はミフネ。 99個分の強靭な魂を持ち、ブラック☆スターは一度惨敗を喫している。 結果からいえば、辛くもブラック☆スターの勝利に終わった。 全てを捨て、互いに死を覚悟上での壮絶な武人の決闘であった。 ブラック☆スターの肩にある傷はその時につけられたものである。 そして、彼はその傷にかけて改めて誓ったのだ。 強さを求めて散っていった者達の無念を背負い、「武神」になると。 「俺は自分の力で武神にならないといけないんだ。聖杯なんてモンに頼ったら散っていった奴らを侮辱することになる」 「つまり、自分の力で夢を叶えることにこそ価値があると?」 ブラック☆スターはライダーの問いかけに頷く。 それはライダーも同じだ。 ライダーの聖杯にかける願いは、受肉。 この世界に再び一つの命として生まれ変わり、「自分の力で」世界を制服するためだ。 この少年もまた、ライダーのようにその身で己の限界を極め、神を超えようとしているのだろう。 「願いがない代わりに…俺は見てみたいんだ。ここって色んな世界に繋がってんだろ?強い奴だっているはずだ。そいつらと戦ってみたい」 「……ふははははっ!気に入った!」 ライダーはブラック☆スターのツンツンと尖った頭を押し付けるようにして撫でてから戦車に再び乗り込む。 ブラック☆スターから「撫でんじゃねェ!」と抗議の声が上がるが、聞いていない。 「そうとなったら出陣だ、坊主!貴様の望む好敵手を探しに行こうぞ!」 手綱を握り、ブラック☆スターを誘う。 ブラック☆スターはそれに応じて会心の微笑を浮かべながら「応ッ!」と返し、ライダーに続いて戦車に乗るのだった。 【クラス】 ライダー 【真名】 イスカンダル@Fate/Zero 【パラメータ】 筋力B 耐久A 敏捷C 魔力D 幸運B 宝具A++ 【属性】 中立・善 【クラス別スキル】 対魔力:D 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。 魔力避けのアミュレット程度の対魔力。 騎乗:A+ 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。 ただし、竜種は該当しない。 【保有スキル】 神性:C 明確な証拠こそないものの、多くの伝承によって最高神ゼウスの息子であると伝えられている。 カリスマ:A 大軍団を指揮する天性の才能。 Aランクはおよそ人間として獲得しうる最高峰の人望といえる。 軍略:B 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。 自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。 【宝具】 『遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)』 ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:100人 「神威の車輪」による蹂躙走法。『神威の車輪』完全解放形態からの突進。雷気を迸らせる神牛の蹄と車輪による二重の攻撃に加え、雷神ゼウスの顕現である雷撃効果が付与されている。 猛る神牛の嘶きは通常使用時の比ではなく、静止状態から100mの距離を瞬時に詰める加速力を持つ。 ・神威の車輪(ゴルディアス・ホイール) ゴルディアス王がオリュンポスの主神ゼウスに捧げた供物であったものをイスカンダルが自身の佩刀「キュプリオトの剣」で繋いでいる紐を断ち切って自らのものとしたというエピソードの具現。 彼がライダーたる所以である、二頭の飛蹄雷牛(ゴッド・ブル)が牽引する戦車(チャリオット)。 地面だけでなく、空までも自らの領域として駆け抜けることが可能。神牛の踏みしめた跡にはどこであれ雷が迸る。 キュプリオトの剣を振るうと空間が裂け、どこであろうと自在に召喚できる。 戦車は各部のパーツを個別に縮小・収納が可能で、走破する地形に合わせた最適な形態を取ることが出来る。 御者台には防護力場が張られており、少なくとも血飛沫程度なら寄せ付けない。 地上で通常使用した場合の最大速度は約時速400Kmほど。 真名解放無しでも対軍級の威力・範囲を持つ。 下記の『王の軍勢』と同時使用することもできる。 『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』 ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人 召喚の固有結界。ライダーの切り札。 展開されるのは、晴れ渡る蒼穹に熱風吹き抜ける広大な荒野と大砂漠。 障害となるものが何もない地形に敵を引きずりこみ、彼が生前率いた近衛兵団を独立サーヴァントとして連続召喚して、数万の軍勢で蹂躙する。 彼自身は魔術師ではないが、彼の仲間たち全員が心象風景を共有し、全員で術を維持するため固有結界の展開が可能となっている。 要は、生前の軍団を丸ごと召喚・復活させる固有結界。 時空すら越える臣下との絆が宝具にまで昇華された、彼の王道の象徴。 征服王イスカンダルの持つカリスマ性を最大限に具現化したものであり、召喚される中にはライダー本人よりも武力に優れた者や、 一国の王としてBランク相当のカリスマを具える者も複数いるらしい。 これは彼が生前、個人として武勲を立てた英雄ではなく、軍勢を指揮して戦った英雄であることに由来する。 召喚された臣下はそれぞれ英霊として座にあるサーヴァントであり、全員がE-ランクの「単独行動」スキルを持つためマスター不在でも戦闘可能。 なお、聖杯戦争のルールに従って召喚されているわけではないのでクラスは持っていない。 また、ライダーの能力の限界として、臣下が自身の伝説で有しているはずの宝具までは具現化させることはできない。 一度発動してしまえば近衛兵団はライダー曰く「向こうから押しかけてくる」ほか結界の維持は彼ら全員の魔力を使って行われるため、 展開中の魔力消費は少なく済む。 ただし、最初に彼が『英霊の座』にいる軍勢に一斉号令をかける必要があるため、維持は簡単でも展開そのものに多大な魔力を喰う。 また、軍勢の総数が減るに従って負担が激増していき、過半数を失えば強制的に結界は崩壊する。 本来、世界からの抑止力があるため固有結界の中にしか軍勢は召喚・展開できないが、 一騎程度であれば結界外での召喚や派遣も可能。 【weapon】 キュプリオトの剣 【人物背景】 マケドニアの覇者、征服王イスカンダル(日本で一般に言うところのアレキサンダー大王、またはアレクサンドロス3世)。 大柄な見た目通りの豪放磊落を地で行く人物。 他を顧みるということを全くしない暴君的性質を持つが、その欲望が結果的に人々を幸せにする奔放な王。 征服先で略奪を行ってきた出自の為か盗癖がある。 世界征服を望みとするが、他者から与えられるものではなく、あくまでも自分で成し遂げることを持論とする。 【サーヴァントとしての願い】 受肉し、世界を征服する。 【マスター】 ブラック☆スター@ソウルイーター 【マスターとしての願い】 ゴッサムシティにどんな奴が来ているのかを見てみたい 聖杯に興味はなく、武神になるという夢は自分で叶える 【weapon】 武器(中務椿)はいないので特になし 【能力・技能】 持ち前の軽技と突出した戦闘能力 体術はもちろん、パートナーの椿と共に戦ってきたことで様々な暗器と刀の扱いにも優れている。 死武専の職員からは「死武専最強」のお墨付きを貰っているほど。 気配遮断 暗殺者として気配を殺すことができる。 ただし、性格上隠密行動をするのは難しく、今まで暗殺に成功したことがない。 「魂の波長」を攻撃として打ち出す能力 ブラック☆スターの魂の波長を敵へ直に打ち込む。 鎧などの硬い遮蔽物を無視して直接体内にダメージを与えることができる。 耐久無視攻撃。 【参戦時期】 少なくともミフネ戦(3回目)以降 【人物背景】 死武専に所属する武器職人。 殺し屋集団・星一族の生き残りであり、赤ん坊であった頃に死神様によって保護され、死武専に入った。 唯我独尊な目立ちたがり屋で、どこまでも明るくポジティブであり、細かいことは気にしない。 暗殺術の使い手であり、忍者的な要素も強い暗器職人であるにもかかわらず、我が強く何にでも一番になりたがるうえ、とにかく目立ちたがる。 そのせいで、任務よりも目立つことに気を取られてしまい、当初はつねに赤点の落第候補生であった。 短気で喧嘩っ早くもあり、何かにつけて勝負を持ちかける。 そして絶対勝とうとするうえ、負けを認めようとしない意固地な一面もある。 将来は神になることが目標であり、そのために日夜、我が道を突き進んでいる。 そのため、自身の目標のための努力は惜しまず、とことんまで追求する努力家でもある。 また、情に厚く、絆や約束を大切にする人情家でもあり、仲間のために命を賭けることを惜しまない気風の良さもある。 【方針】 他の主従、特に自分より目立っている者へ勝負を吹っ掛けにいく。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/74.html
「お初にお目にかかる、我がマスター」 私の目の前に、男が跪いている。 「我が名は誉れあるフィオナ騎士団が一番槍、ディルムッド・オディナ。呼び声に招かれ参上した」 「…………」 短く刈り込まれ清潔感のある頭髪。 鋭い右目の下にある黒子。 それら端正な顔立ちに似合わぬ、鋼のように鍛え上げられた筋肉。 彼の両脇には赤黄二色の槍が墓標にように突き立てられていた。 「縁なき戦といえど、こうして主の槍として召喚されたからには是非もなし。 騎士たる我の死力を尽くし、主君に勝利の栄誉を捧げることを誓いましょう」 「…………」 男……本人言うところの騎士は、滔々と忠義の言葉を語り続ける。 どうも、こちらを見てすらいない。 主の言葉があるまでは、みだりに瞳を向けることすら不敬であるとでも言うように。 「主よ、どうかご命令を。一命あらばこのディルムッド、身命を賭して戦場に臨む所存でありますゆえ」 「…………」 「主?」 一言も返さない私にようやく疑問を覚えたか、しかし顔は上げずに疑いの声を漏らす。 視線は頑なに己の爪先に刺さり、動かない。 不躾な振る舞いを本能で律する、心身ともに清冽な意気を感じさせる。 「……その、何だ」 「はっ。どのような命であろうとも、何なりと」 「いや、待て。待て……そう、なんだ。まずは顔を上げてくれないか」 「は、主が許されるのであれば」 膝立ちのまま深々と頭を下げ、ゆっくりと背筋を伸ばす。 愛嬌を感じさせる黒子が持ち上がり、閉じられていた両の眼が開く。 そこに映し出されていたのは…… 「……剣?」 「それが私だ」 「……主よ、お戯れはなさいますな。魔術師の闘争となれば、姿を見せぬも道理でありまする。 それが命とあらばこのディルムッド、否やはありませぬ」 「いや、そうではない。本当に、お前の前にある剣が私なのだ」 ディルムッドの視線の先には、彼の槍と同じように突き立つ一本の剣があった。 幾何学的な模様が刻印された両刃の長剣。 「……は。いや、しかし……」 「いま、証拠を見せる」 天を指すその柄を、後ろから掴む手があった。 「……! あなたが、我が主か!?」 「さっきからそう言っている。いや待て、その主というのは止めろ」 風に流れる涼やかな銀の長髪。 穢れなき純白のローブ。 整った顔立ち。 しなやかで力強い、均整の取れたボディ。 容姿は誇張抜きで、眼前の騎士と並んでも見劣りしないと自負している。 「しかし主、あなたが私を召喚したマスターであることは疑いありません。その手に刻まれた令呪が何よりの証拠」 「手? 何の話だ?」 両手をブラブラと振ってみる。 見た限り通常と何の変化もない。 「な……令呪がない!? し、しかし確かに令呪の存在は感じる……」 「ん、何だこれは。未確認のプログラムコード? ウイルスか……何、削除できないだと!? プログラムの根幹に根ざす……な、何だこれは!? 私にインストールされているプログラムにこんなものはなかったはずだぞ!」 異常があったのは、剣の柄にセットされた宝玉にだった。 剣を象ったような三つの楔型の字……いや、印か。 こんなもの、つい先日までは確実になかったと断言できる。 「一体どういうことなのです、主!?」 「私が聞きたいくらいだ! 何だというんだ、この状況は!」 絵になる男が二人、騒々しく取り乱している。 おかしい。こんな役どころは私には不似合いだ。 こういうのはもっとこう、相棒のようなガサツで口やかましい人間が…… ……そういえば、自己紹介が遅れたな。 私の名は“ラグナロク”。 本来ならば我が相棒、フリーランスの傭兵リロイ・シュヴァルツァーが腰に差している剣。 しかし今は、眉目秀麗かつ紳士的な騎士に恭しく頭を垂れられ、絶句している剣。 ……それが、私だ。 ◆ 「……つまり、私はお前のマスターで、お前は私のサーヴァント。主とその剣、ということか」 「その通りです」 「う、む……」 衝撃が過ぎ去り、落ち着いても、この男の態度に変化はなかった。 私が剣と知ってもなお、こうして一歩下がって膝をつく恭しい態度。 ううむ、相棒に爪の垢を煎じてやりたい見事なまでの忠臣ぶりだ。 しかしだな、私自身が人に振るわれることを前提に設計された剣であるからして。 その人間にこうして頭を下げられては立つ瀬がないというものだ。 サーヴァントは人間ではないからお気になさらず、とディルムッドは言ったものの、そうもいくまい。 「やはり、何かの間違いではないのか? 相棒ならともかく、私がマスターというのは、その」 「どのような理由で主がマスターとしてこの聖杯戦争に招かれたかは、私の預かり知るところではありません。 たしかなことは、主の中にある令呪が私と繋がっていること。すなわち、私の主はあなたであるということだけです」 宝玉に刻まれていた紋様は、令呪というらしい。 こすっても叩いても消えなかった(相棒のような真似をしたと恥ずべきである)この紋様は、やはり何度確認しても私の中枢に直接刻み込まれたコードだった。 外部から働きかけて除去することは不可能。ただし能動的に使用すれば使い切って消すことはできる、らしい。 実行しようとしたがディルムッドに止められた。 令呪を全部使用したところで、この状況から離脱することは不可能だと。 「参った……」 「主には何か、願いなどありますまいか?」 「さてな。今の私は相棒とともに旅をするただの剣だ。強いて言うなら、香りの良い紅茶を飲みたい……それくらいだ」 「それは、その……聖杯に願うにしては、あまりに」 「うむ。だから私に大した願いなどないのだ」 不可能を可能にする、となれば考えつくのは怨敵である闇の種族(ダーク・ワン)の滅亡や、最初の相棒の復活、か。 だが、どちらも思いついた次の瞬間に否定した。 前者は相棒の出自のこともあって即断できるものではない。 後者は論外だ。彼女の死は聖杯ごときが軽々に触れて良いものではない。 結果、男二人、頭を抱える。 ええい、大体相棒は何をしているのだ。 私がこんな騒動に巻き込まれたというのに、自分の剣が失くなったことにも気づかないとは。 ……いや。そもそもにしてこうなった原因は、相棒の迂闊さにある。 露天商から捨て値で買った怪しげな人形。私は気味が悪いから捨てろと言ったのだ。 なのにあいつはデザインが気に入っただの直感に来るものがあっただの。 結果、あの人形が聖杯戦争に参加するチケットとなり、今はこうしてディルムッドという騎士に変化した。 それならばあいつが呼ばれるのが筋だろう。何故私なのだ。 まあ……あいつとこの騎士が組むと考えると、それはそれで納得しがたいものもあるのだが。 だがとにかく相棒のせいであることに違いはない。そういうことにしておく。 「しかし、一度始まった聖杯戦争を中途で辞退することはできません。ことにこの街に限っては」 「どうあれ戦うしかないということか」 「他に道はありますまいな」 大いに嘆息する。 街を舞台にした生存競争などと、私にはまったくそぐわない野蛮な催しだ。 だが、座して見守る訳にはいくまい。どうやってか私の本体すらもこの空間に持ち込まれているのだから、破壊された場合、人間と同じく死を迎えることは間違いない。 「ディルムッドよ。私に願いはないが、こんなところで朽ちる気はない。相棒を待たせているのでな」 「は……では、生還を目的に動かれるということで?」 「それしかあるまい。聖杯を手に入れるか、あるいはこの空間から脱出する方法を探すか。 何にせよ、殺戮を推奨するのは私の望むところではない。お前が騎士だというのなら、些か失望させることになるかもしれないが」 「いえ、それは構いません。元より私も、聖杯に掛ける願いなどない身の上。主の望みを果たす一助になるならそれ以上は望みませぬ」 うーむ、いよいよもってあっぱれなほどの騎士道ぶり。 これほど高潔な人物は久しく目にしていない。今の相棒も、最初の相棒も、こんな人格とは程遠かったからな……。 ……だが。 やはり、私の相棒は彼や彼女であって、どれだけ立派であってもディルムッドではない。 ゆえにこそ、帰らねばならない。私の方から相棒を裏切ることなど、絶対に許されないのだから。 「ディルムッド、その主というのはやめてくれないか」 「は、しかし……」 「お前が主に忠義を尽すように、私にも私を預ける相棒がいる。 我らの有り様は近しいものだ。だからこそ、お前に主などと呼ばれると私の存在基盤が揺らぐことになる」 「では、何とお呼びすれば?」 「呼び捨てでも構わんが」 「そ、それは恐れ多くてとても。では……そうですな、ラグナロク様、というのはどうでしょう?」 「……それは私が拒否しよう。ふむ……」 思案する。元より兵器として製造されたこの身に固有の名詞はない。 強いて言うなら製造番号、ラグナロク0109(エアスト・ノイン)だが、私を主と慕う者に番号で呼ばせるのもそれはそれで信頼を裏切るような気もする。 悩み、そして閃いた。 少しの間だけ使用した偽名、いや渾名のようなもの。 相棒とともに経験したとある事件で、無邪気に私を慕ってくれたあの少女に名乗った…… 「……ラグ。ラグでいい。様はいらんぞ」 「は……いえ、了解しました。ではラグ、再度宣言いたします。 私、ディルムッド・オディナはあなたの槍となり、あなたをあるべき場所に還すことを誓いましょう」 「ああ、そのことだがな。騎士というからには剣も使えるのだろう?」 「は? それはたしかに、剣術も収めてはおりますが。 この身はランサーとして現界しておりますので、我が愛刀は残念ながらここにはありませんのです」 「それは問題ない。要はこれを使ってくれということだ」 私は本体である剣を引き抜き、ディルムッドに投げ渡した。 剣を構えたディルムッドは、なるほど騎士と名乗るだけあって様になっている。 「私はあくまで剣に宿る意思であって、剣そのものを使いこなせる戦士ではない。お前が振るってくれた方が役に立つというものだ」 「し、しかし主を振るうなど……」 「その呼び方は止めろと言ったぞ。細かいことは気にするな。これが戦力的にも最善だ」 抗弁するディルムッドに構わず、私は意識を宝玉に戻した。 人の姿は一瞬で解けて消える。 この場に残るのは、剣を携えたディルムッド一人。 「ら、ラグ! 私に一人で行動せよとおっしゃるのですか?」 「うん? 何か不都合があるのか?」 「不都合というか……実体化していれば、すぐに他のサーヴァントに気取られます。 無益な戦いを好まぬのであれば、私が霊体化してラグが人の姿を取っているのが最善かと」 「……そうか、そうだったな。ここではいつもとは逆に、私が主体で行動せねばならないのか」 つい、相棒とともに行動していたいつもの癖で、実体化を解除してしまった。 ディルムッドを一人うろつかせて敵に発見され、必要のない戦いに飛び込んでいくのは無謀という他ない。 こんなことはそれこそ相棒のやりそうな頭の悪い行動だ。いかんな、私も毒されてきたのか……? 反省せねば。 「では行くぞ。まずは情報収集だな」 「……はい、ですがラグ、まずは当代の衣服と、剣を収納する入れ物を探すべきでしょう。 民衆が平時と同じ生活をおくる聖杯戦争では、その衣と抜身の剣は目立ち過ぎます」 「うん? 剣のことはわかるが、このローブの何がおかしい?」 「いえ……」 ディルムッドはそっと口を噤み、霊体化した。 何だその気を遣ったような仕草は。このローブが場にそぐわないようなものとでも言いたいのか? データベースに記述された指定の本拠に向かって歩きながら、私はディルムッドへこのローブの素晴らしさをとっくりと語って聞かせてやることにした。 【クラス】 ランサー 【真名】 ディルムッド・オディナ 【パラメーター】 筋力:B 耐久:C 敏捷:A+ 魔力:D 幸運:E 宝具:B 【属性】 秩序・中庸 【クラススキル】 対魔力:B 魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。 セイバーオルタは本来のランクから、黒化の影響によりランクダウンしている。 【保有スキル】 心眼(真):B 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 愛の黒子:C 魔力を帯びた黒子による異性への誘惑。ランサーと対峙した女性は彼に対する強烈な恋愛感情を懐いてしまう。 対魔力スキルで回避可能。対魔力を持っていなくても抵抗する意思を持っていれば、ある程度軽減することが出来る。 【宝具】 『破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2-4 最大捕捉:1人 ディルムッドが養父であるドルイドのアンガスより贈られた紅槍ゲイ・ジャルグ。 紅の長槍。刃が触れた対象の魔力的効果を打ち消す。基本的には、魔術的防御を無効化させるための能力を持った宝具。 打ち消される魔力の対象は防具に限った話ではないが、「刃の触れた部分だけ」「刃の触れている間だけ」効果を発揮するため、防御的な使い方には向かない。 また、過去に交わされた契約や呪い、既に完了した魔術の効果を覆すことはできない(魔術は無効化できるが、その魔術が残した結果までは無効化できない)。 「宝具殺しの宝具」と呼ばれる槍だが、この破魔の効果単独で宝具の初期化はできない。あくまで「刃の触れている間だけ」効果を打ち消す。 『必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2-3 最大捕捉:1人 ディルムッドが妖精王マナマーン・マック・リールより贈られた黄槍ゲイ・ボウ。 黄の短槍。治癒不能の傷を負わせる。通常のディスペルは不可能で、この槍で付けられた傷は槍を破壊するか、ディルムッドが死なない限り癒えることがない。 いかなる治癒や再生でも回復できない仕組みは、この槍が与えるダメージは最大HPの上限そのものを削減するため。 それ故に回復や再生をしても「傷を負った状態が全快状態」であるため、それ以上治らない。 なお、使い手である彼はこの槍で傷つくことはない。 【weapon】 紅の長槍・破魔の紅薔薇 黄の短槍・必滅の黄薔薇 【人物背景】 真名はディルムッド・オディナ。ケルト神話におけるフィオナ騎士団筆頭騎士。 生前、主君の婚約者から主への裏切りをゲッシュにより強制され、悩んだ末に愛に応えることを選んだという逸話を持つ。 そのことに後悔はないが、主君への忠義と騎士としての本懐を最後まで全うしきれなかった未練から、今回は愛でなく忠義を選ぼうと心に決めて第四次聖杯戦争に挑む。 しかし彼の生前を知っているケイネスは自らのサーヴァントを信用しきれず、ことあるごとに痛罵する。それでもなお、彼は献身的に主へと仕えようとした。 だが、ケイネスの婚約者であるソラウ・ヌァザレ・ソフィアリがランサーの持つ魔貌による魅了を受け入れてしまい、盲目的なまでの恋慕を寄せる。 奇しくも生前と同じ状況に陥りながらも、彼はあくまでも忠義を貫こうとするのだが…… 【サーヴァントの願い】 召喚者に忠誠を尽くし、騎士としての名誉を全うすること。 【基本戦術、方針、運用法】 大火力や一撃必殺の宝具はないが、相手の戦力をじわじわと削る長期戦に秀でた二つの宝具を持つ。 高い敏捷値を活かして「必滅の黄薔薇」で一撃を与え、深追いせずに撤退するヒットアンドアウェイの戦法が有効か。 また、剣の扱いにも長けているので、槍を温存してラグナロクを使って戦うことも可能。 ラグナロクはディルムッドにはない高火力を備えており、ランサーでありながら宝具ではない剣を振るうことで真名の隠蔽も可能。 ラグナロクと槍を使い分ければ、一刀一槍の戦法を披露することもできるだろう。 【マスター】 ラグナロク0109(エアスト・ノイン)@ラグナロク 【マスターの願い】 相棒の元へ帰還する。 【weapon】 『神々の黄昏(ラグナロク)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:2-3 最大捕捉:1人 人、動物、鉱物、植物など、万物に宿る存在意思(ノルン)を抽出して操ることが出来る、意志を持った剣。ラグナロクそのもの。 存在意思を練り上げることで本体である剣をコーティングして爆発的に威力を高めたり、小規模ながら盾を形成することが可能。 全力の存在意思を込めた一撃は対象に連鎖的な小爆発を誘発し、爆撃並みの威力を発揮する。 また、存在意思を纏わない剣本体も非常に頑強かつ高品質。 製造から5000年経とうとも性能にいささかの劣化もない。生物や車、吸血鬼や鬼、果ては異次元に棲む魔獣を切り裂いても刃毀れひとつない。 本来は宝具ではないが、5000年の長きに渡り活動してきたこと、そして存在意思を操る特性から、宝具に相当する神秘を備えることになった。 【能力・技能】 あらゆる道の達人の戦闘データと一通りの武器・兵器の操作方法がインプットされている。 しかし戦闘経験から得られる直感や閃きが備わっていないため、真の達人とも呼ぶべき相手には数段劣る。 また、人の姿でもある程度なら存在意思を操ることができる。 【人物背景】 作中時代より5000年前の大戦時に作られた対闇の種族(ダーク・ワン)用兵器。製造番号は0109[エアスト・ノイン](第一ロット九本目の意)。 一言で言えば「喋る剣」なのだが、空気中の分子を操作して質量を持つホログラムを投影することで、青年の姿で活動することも可能。 本体は剣の柄に嵌め込められている宝玉で、取り外す事で意識を離れた場所に飛ばす事も可能である。 その際の容姿は長髪に白いローブ。5000年前当時は珍しくもなかったが、現代では非常に浮いている。 しかし本人はそのギャップを理解できておらず、センスを批判されると猛然と反論する。 ホログラム時は食物の摂取が可能(体内で即座に分解するため栄養の摂取は不可)。大の紅茶党で、コーヒーは下品な人間の飲むものだと思い込んでいる。 思った事をよく口に出してしまう。自分のことを冷静な性格と考えているが、5000年もの長い時を生きているためか些細なことで感情的になりやすい。 ホログラム体で莫大なダメージを受けると、本体にフィードバックされ死ぬこともある。また、ダメージを受けた後は過剰負荷を処理するためしばらくの間全機能が低下する。 作中本編ではフリーランスの傭兵、リロイ・シュヴァルツァーの相棒兼、剣。 直情的で暴力的、後先考えず直感で生きて困難に突っ込んでいくリロイをあらゆる点からサポートする苦労人。 かといってラグナロクが常識人かというとそういう訳でもなく、あくまでリロイと比較すれば多少弁えている、といったところ。 作られた存在ではあるが、5000年もの間生き続けているため一見して人間ではないと看破されることは非常に少ない。 最初の相棒、そしてリロイと一癖も二癖もある人物と付き合ってきたためか、感情プログラムが発達しており人間のように怒り、笑うこともある。 自身が人に振るわれる剣であるため、相棒という存在を何よりも大事に思っている。 【役職】 喫茶店・紅茶屋の常連。
https://w.atwiki.jp/gotham/pages/45.html
「アイドルに、興味はありませんか」 差し出された紙片……名刺、を、じっと見つめる。 それがどういうものか知識としては知っていても、実際目にした経験はあまりない。 当然、自分に向けて渡されたことなど一度もない。驚き以上に新鮮な興味がなかったと言えば嘘になる。 その名刺には、こう書かれていた。 『株式会社346プロダクション シンデレラプロジェクト プロデューサー』 「つまり、あなたは……アイドル、十代の少女を導く立場である、と」 「当社に所属するアイドルは十代だけではありませんが、その通りです」 彼の身長は、かなり高い。並んで立てば自分より頭二つは上だろう。 何かスポーツでもやっているのか、がっしりとした体つきだ。 上下黒のスーツに身を包み、きっちりとネクタイを締めた模範的なビジネスマンスタイル。 髪色は黒、特に着飾ったりもしていないまじめ一本といった容姿。 目尻は鋭い三白眼。胸の内を読み取らせない無表情。貫禄を感じさせる重低音の声。 自分を召喚したマスターは、そんな人物だった。 「……それで、私にアイドルになれ、と?」 「もし、よろしければ、ですが」 念のため聞き返してみても答えは同じだった。つまりは、本心からの勧誘だろう。 彼女……盾のサーヴァント・シールダーは、ずっと差し出されたままの名刺を受け取るかどうか、悩む。 「……もう一度、説明が必要ですか? 私はサーヴァントとしてこの街に召喚されました。 そしてあなたは私のマスターとして、聖杯戦争に挑まなければなりません」 「それは、理解しています。これが夢ではないということも」 「では、それを理解した上で、私にアイドルになれとおっしゃるのですか?」 「はい」 迷いなく頷かれ、ますます彼女は困惑した。 彼は決して愚鈍ではなさそうだ。社会に出て働いている年齢であれば、今の自分の立場を現実的に認識しているはずなのだが。 小さな喫茶店の片隅。運ばれてきたコーヒーはとっくに冷めてしまっている。 いつまでも悩んでいる時間はない。どう諭したものか、とシールダーが悩んでいると、 「あなたは、盾のサーヴァント。つまり、何かを守るのが専門、という認識で合っていますか?」 「ええ、その通りです」 「でしたら、私は……やはり、誰かを殺して願いを叶えるということは、できそうにありません。 そこで、あなたには、他のマスターを守っていただきたいのです」 プロデューサーは、シールダーの眼をまっすぐ見つめてそう言った。 「この聖杯戦争が何のためにあるものなのか、私にはまだはっきりとわかってはいません。 ですが……間違っている。それだけは、わかります」 「……続けてください」 一言一言を区切るように喋るマスターの眼には、やや分かり辛いが確かな決意が読み取れる。 気の迷いや思いつきではない。悪徳を否定する、人として好ましい感情がそこにはある。 シールダーは思い直す。彼は錯乱してなどいない。確固たる信念の元、シールダーと向かい合っている。 「私は仕事柄、小学生やあなたくらいの年齢の少女と関わる機会が多くあります。 彼女たちはみな、夢を叶えるために毎日をひたむきに頑張っています。 夢は……そう、夢は、自分の手で叶えなければ意味がないと。そう思うのです」 「聖杯に望む願いなどない……と?」 「はい」 やはり、迷いなく、頷く。 プロデューサーを支えているものが何なのか、シールダーにはおぼろげながら見えてきた。 アイドルという存在がどういうものか、シールダーはよく理解しているとはいえない。 けれど、このプロデューサーと少女たちは、お互いを信頼し、手を取り合って夢に向かって進んでいるのだろう。 「私は、プロデューサーです。すぐにでもここから帰って、仕事をしなければなりません。 もし誰かを殺してしまえば、彼女たちに向き合うことはできなくなる。それは……困ります」 「そのために、殺さない。そして、殺させない、と」 「ええ。誰も戦わなければ、戦争なんて起こらないでしょう」 プロデューサーがシールダーに求めている役割とは、戦いを勝ち抜く力ではない。 戦いに巻き込まれた人を守る力。戦争を根本から否定する思想……しかし、シールダーにとっては好ましい。 「私は、気が付いたらここにいました。特別な何かをした覚えはありません。 なら、私のように連れて来られた人はきっといるはずです。そういう人を、あなたに守ってもらいたいのです。 戦う意志のない人をあなたが守り、私のような考えの人間が戦う気のある人より多くなれば、戦いはもう起こらないはずです」 「なるほど……あなたの意志は理解しました。それは、私の望むところでもあります」 シールダーは、守護者。地上に在る全ての生命を守る存在である。 聖杯という聖遺物を巡るこの戦い、聖杯戦争に招かれても、その在り方は変わらない。 たとえこの場に、彼女を支え共に戦ってきた戦士たちがいないとしても、使命を果たさなければならない。 であれば、このマスターはこれ以上望むべくもない最高のマスターだ。志を同じくする友は、万軍にも勝る力を与えてくれる。 そう、かつての「彼ら」のように…… 「そこから先は……どうすれば帰れるのか、今はわかりませんが、何か、方法はあると思います」 「聖杯の所在を突き止めることが必要となります。そこにあるとさえ分かれば、私が機能を掌握することも可能でしょう」 これは確信だった。 聖遺物、つまりは神の手になるものであれば、シールダーが干渉できない道理はない。 「では……承諾していただけますか?」 「ええ、私はあなたの『戦わない戦い』に協力しようと思います。あなたの気高き意志に祝福を」 「では、こちらの書類にサインを」 「……え?」 晴れやかな気持ちで誓い、微笑んだシールダーの前に、一枚の紙が差し出された。 そこには、先ほどの名刺に書かれていた社名と、 『株式会社346プロダクション タレント専属契約書』 そう、書いてあった。 「……そう言えば、それがありましたね。私に、アイドルになれ、と」 「ペンは、こちらをお使いください」 プロデューサーがさっとペンを差し出してくる。 軽く、頭痛がした気がする。 「……本気だったのですか? 私はてっきり、共闘を要請する宣言と受け取っていたのですが」 「わかりにくかったなら、申し訳ございません。ですが、ちゃんと意味はあります」 「それは?」 「アイドルは、ファンに……誰かに、夢を魅せられる存在だからです」 ペンを差し出したまま、プロデューサーは力説する。 表情がほとんど変わらないが、言葉に込められた想いはとても雄弁だ。 「あなたはここで、私のような戦わない人の夢に、希望になっていただきたい。 誰も殺すことなく、元いた場所に帰る。そして、また明日から、いつも通りの生活を始める。 全ての人を守る、それが……今の私の考える、理想のアイドルです」 友愛、信頼、善意……シールダーの力の源となる、正の感情。 彼がアイドルという存在に抱く想いは、とても崇高で純粋なものなのだろうと、そう伝わってくる。 シールダーは苦笑し、プロデューサーの手からペンを受け取った。 「それがアイドル、ですか。なら……そうですね、今だけなら。 この街にいる間だけ、私はあなたのアイドルになりましょう。 あなたが、あなたと共に駆けている少女たちの元へ帰る、そのときまで」 シールダーは文字を刻む。 そこに書かれた名は、サーヴァントとしての彼女の真名ではない。 だが確かに、彼女という存在を示す本当の名前。 城戸沙織。 地上に降臨したアテナの化身の、人としての、父から与えられた大切な名前だった。 【クラス】 シールダー 【真名】 アテナ@聖闘士星矢 【パラメーター】 筋力:E 耐久:A+ 敏捷:E 魔力:A 幸運:EX 宝具:A++ 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 小宇宙(コスモ):EX 人間や神の内に存在する宇宙的エネルギー。小宇宙を燃焼させることで、肉体を強化したり異次元への穴を開けるなど様々な超常現象を引き起こす。 自らの五感と第六感を封じることで増大し、第七感・セブンセンシズに目覚めればさらに爆発的に増大、第八感・エイトセンシズに覚醒すれば生きたまま地上界と冥界を行き来できる。 神であるアテナは強大な小宇宙を有するものの、直接的な戦闘は聖闘士に任せているため一切の攻撃的な技を持たない。逆に防御や回復、呪いの浄化などには無類の力を発揮する。 生命の守護者:A 地上に存在するあらゆる生命を守るというアテナの在り方そのもの。 アテナが守ると決めた半径100m以内の対象は愛と安らぎに満ちた小宇宙によって保護され、その対象に行われるいかなる攻撃もアテナが肩代わりする。 このため、彼女のマスターを暗殺しようとしても、まずアテナを排除しなければかすり傷すら負わせることはできない。 【保有スキル】 神性:A+ 神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。 戦女神アテナが人の姿を借りて降臨した存在。人と神の割合が半分ずつのため、非常に高い神霊適性を持つ。 カリスマ:B 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。 彼女が率いる聖闘士たちはアテナに絶大な信頼と敬慕を寄せるものの、アテナはどの時代においても必ず双子座や他の聖闘士に裏切られるためランクダウンしている。 【宝具】 『女神の聖衣(アテナのクロス)』 ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:自分 神話の時代より受け継がれる女神の鎧。右手に黄金の杖、左手に黄金の盾を携える。 右手の杖はアテナに仕える勝利の女神ニケの化身であり、あらゆる勝利を手にする力がある。神である冥王ハーデスの真の肉体を滅ぼしたため、神殺しの属性を持つ。 左手の盾はいかなる神や邪悪の力も退ける力がある。攻撃を防ぐだけでなく、光を発して双子座の黄金聖闘士サガに潜む悪の心を消し去ったこともある。 『女神の聖衣』 Bランク以下の物理攻撃と魔術を完全に無効化し、さらにAランク以上の攻撃でもその威力を大幅に減少させ、Bランク分の防御数値を差し引いたダメージとして計上する。 『女神の杖』 Bランク以上の神性スキルを持つサーヴァントに対し、絶対命中・防御無視・威力五倍・回復阻害の効果。 『女神の盾』 聖衣と同効果に加え、属性・悪のサーヴァントと戦闘を開始するとき幸運判定を行う。成功した場合は相手の全パラメーターを1ランクダウンさせる。 『女神の聖域(サンクチュアリ)』 ランク:A++ 種別:結界宝具 レンジ:1-100 最大捕捉:1000人 アテナが座する聖域を再現する固有結界。人界から隔絶された女神の領域。 黄金聖闘士が守護する黄道十二宮が侵入者への防壁として機能し、あらゆる攻撃・スキル・宝具の効果を十二分の一に減衰する。 本来ならさらに八十八人の聖闘士を召喚し敵を攻撃するが、アテナがサーヴァントとして定義されたためランクダウン。十二宮の再現のみに留まっている。 【weapon】 女神の杖 神殺しの属性を持つため、神性を持つサーヴァントに対し圧倒的な優位を得る。 ただしアテナ自身はさしたる武術の心得がなく、また攻撃的な技も持たないため、神性を持たない英霊と打ち合うことは実質的に不可能。 【人物背景】 オリュンポス十二神の戦女神アテナが人間の姿を借りて降臨した存在。 人の世が乱れるとき現れ、地上の平和と生きとし生けるすべての生命を守る使命を持つ。 人としての名は城戸沙織。人間として生まれた後にアテナとして覚醒、地上を守るという使命に生涯を捧げることとなる。 海皇ポセイドン、冥王ハーデス、邪神エリス、太陽神アベル、堕天使ルシファーなど世を乱す数多の神々と戦い、その全てに勝利する。 【サーヴァントの願い】 誰も命を落とすことなく戦いを終わらせて、聖杯を解体する。 【基本戦術、方針、運用法】 防戦に特化したサーヴァント。 非常に強力な防御宝具と固有結界を持ち、癒しの力もずば抜けている。 その反面、攻撃能力は皆無に等しく、特定の相手にしか勝つことは不可能。 決して負けないが、勝つことも難しい。そんなサーヴァントである。 故に、取れる戦法としては。 アテナがサーヴァントの攻撃を防ぎ、その間にプロデューサーがマスターを説得する。これ以外にはないだろう。 【マスター】 プロデューサー@アイドルマスターシンデレラガールズ 【マスターの願い】 誰も殺さず、また誰にも殺させることなく聖杯戦争を集結させたい。 【weapon】 なし 【能力・技能】 プロレスラー並みの体格 殺し屋のような眼光と威圧感 【人物背景】 346プロダクションアイドル部門に新設された「シンデレラプロジェクト」の担当プロデューサー。 一見とても堅気には見えないが、実直にアイドルを支える誠実な人物。 やや口下手であり、アイドルたちと行き違いになることもしばしばあるが、決して問題を途中で投げ出したりはせず常に正直にアイドルたちと接していく。 考え事をしたり、困った際には首筋に手を回す癖を持つ。